2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

森博嗣著『四季 冬』

不世出の天才にして連続殺人犯の間賀田四季がその孤独を回想する、四季シリーズ完結編。 SFオチかよ〜。まいる。かんべんして。読了してこの徒労感、いかにせん。どないしちゃったんよ、森博嗣さん。衝撃作『すべてがFになる』を読んで以来のファンだが、…

有楽町でデュークさんをみた(2)

別につづきを書くようなネタはないんだが他に書くこともないので、「あ、デュークさんよ」で思いつくデュークの種類についてしばし無意味な考察を。 現在「あ、デューク」と言えばほぼ70%の人がウォーキング・ドクターを思い浮かべると思う。70という数…

香納諒一著『夜空のむこう』

弱小編集プロダクションを中心にした人間ドラマ、全14話構成。 春は桜特集、夏は祭りと花火、冬はクリスマス。なにもなければ映画、犬猫、スイーツに、お台場、六本木ヒルズ、etc…発売されても1ヶ月もたたないうちには店頭から姿を消し、ざっと目を通した…

有楽町でデュークさんをみた

目覚まし代わりのラジカセがぶっこわれたのでビックカメラまで新しいのを買いにでかけたその帰り、国際フォーラムのB1(船の骨格オブジェ下の通廊)にちょっとした人だかりができているのを発見した。 4〜50人くらいが、B2展示スペース(よくバーゲンな…

もてあました9時間

今日は特にナンも書くことがないので昨日のはなしを。 昨日は午前11時に浜松町で所用があった。その用件は30分程度で終わる予定だが、同日の午後8時半から有楽町で別件が。さてここで困った問題が起こる。浜松町と有楽町のあいだにぽっかりと時間があいてし…

江國香織著『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』

9人の女性の恋模様を描いた「恋愛連動小説」。 卵白をつかったふわふわのお菓子江國流スタイリッシュパウダー掛け。くちとけ良好といった感じ。 アンジェリーナのチェリーシブースト、シェ・リュイのクッキー、フーケのミルフィーユ…etc。お茶好きな都会の女…

西村京太郎著『おれたちはブルースしか歌わない』

あるアマチュアバンドの練習場の近くで私立探偵が殺され、その半年後、盗作されたバンドの曲が地方のラジオチャートでヒットしはじめる。ふたつの事件に接点が!?バンド仲間が真相究明に乗り出す青春ミステリ。 時刻表ミステリでおなじみの著者が、30年前の青…

いったんもんめかいったんもめんか

大学生が「それじゃ、いったんもめんだよ!」と何かの拍子に口にした。通りすがりに耳にしたアタシは、それを言うならいったんもんめだろと内心つっこんでみたものの、ふいに不確かな気持ちにおそわれた。 あれ?もしかして「いったんもめん」のが正しいのか…

『トロイ』

スパルタとの和平交渉に特使として赴いたトロイの王子パリスは、恋に目が眩みスパルタ王妃ヘレンを連れ帰る。和平は決裂、スパルタ王の実兄アガメムノン率いるギリシャ軍がトロイへと侵攻を開始した。堅牢な城壁に守られた難攻不落の城砦都市トロイは、つい…

野尻抱介著『太陽の簒奪者』

2006年水星の表面から噴出した鉱物が太陽の周囲にリングを形成しはじめる。地球の日照は不足し絶滅の危機にさらされた人類はリング破壊ミッションを開始する……星雲賞・SFマガジン賞受賞の傑作短編の長編化作品。 ハインラインとかクラークのような、ちょっ…

レディースデーで映画鑑賞

『ビック・フィッシュ』に競り勝って、映画『トロイ』を。163分の長丁場で座り違えたのか、肩が左だけやけに張ってこりこりしている。今夜は湯船でゆっくり筋肉をほぐして、感想は明日書こう。

拉致家族の帰国で思うこと

友人のMarvyさんから 拉致被害者が何をいっても「自己責任」って世論は起きないと思うのでなんだか安心してみてられる。 とりあえず5人が家族と一緒に暮らせるようになってよかった。 というメールをいただいた。今日はその返事を、アタシも「もしかしてこの…

村上龍著『最後の家族』

リストラ寸前の父、精神的不倫中の母、ひきこもり暴力をふるう息子、進路に悩む娘、全員が苦悩を抱え停滞していた内山家。ふとしたきっかけから家族は急速に崩壊しはじめるが、やがて新しい家族のカタチに光明をみいだす、波乱の3ヶ月間の家族八景。 一つの…

テレビでやってるとなんとなく見ちゃう映画

テレビでやるたびに見てしまう映画というと、たとえば『ノッティング・ヒルの恋人』*1とか、マイナーなとこでは『ロングタイム・コンパニオン』*2あたり、古い映画ならフランク・キャプラ作品*3はおしなべて。ようするにハッピーな気持ちにしてくれる後味の…

『マイ・ハート マイ・ラブ』

結婚40周年を迎えた老夫婦が、家族と友人を招いて盛大に結婚記念パーティを催して大団円へいたるまで。そこに娘たちの三者三様の恋愛譚が挿入される、アンサンブルドラマ。 (1999年米、監督・脚本:ウィラード・キャロル、出演:ショーン・コネリー、ジーナ…

謎のメールfrom miki

拉致家族帰国のニュースに首っ引きになっている間に、働き者のMicrosoft Outlookが謎のメールを受信していた。差出人は「miki」。ミキって誰や? 記憶をさぐるが覚えがない。時間をずらして同じ(らしくみえる)ものが4通も送られてきている。しかも添付ファ…

内田康夫著『イタリア幻想曲 貴賓室の怪人2』

トスカーナ地方の古城ホテルに届いた「貴賓室の怪人に気をつけろ」という謎の脅迫文。豪華客船飛鳥で世界一周中の浅見光彦が、ドイツ、イタリア、ヴァチカンを巻き込んだ国際謀略に挑む。浅見探偵世界進出(?)第二弾。 どうせ一生縁がないであろう豪華客船…

金原ひとみ著『蛇にピアス』

初めてアマのスプリットタンを見た時、自分の中の価値観が崩れるのがわかった。沸点の低いパンク青年アマと同棲する奔放な少女ルイ、サド彫師シバの三角関係と成長を新宿を舞台に描いた恋愛小説。芥川賞受賞。 たまたま新宿のバーでママさんから、新宿界隈を…

春口裕子著『女優』

大手化粧品会社広報室勤務の佳乃は美人で才女の誉れ高く、つねに周囲から「佳乃さんはパーフェクトね」「さすがね」と誉めそやされる。ところが完璧主義が高じるあまりに人としての道を少しづつ踏み外し、ついに深みに足を捕られて…ホラーサスペンス。 肥大…

韓流とアタシ(3)

TV

今日は韓国ドラマにはまる理由を実感をもとに考察してみよう。 懐かしさを感じるとはよく言われるところである。ドラマの情景に、かつて日本にもあった良き日の景色や庶民の姿を重ねてみることができる。ほのぼのもし、安心もする。公園、海辺、湖畔、高原な…

韓流とアタシ(2)

TV

日本にいながらにしてこれだけ韓ドラを楽しむなんてことはわずか2年前には考えられもしなかったのに短期間でこうも変わるとはね。もっとも2年前は韓国ドラマを観ようとする人数が格段に少なかったはずだから、驚くべき速度で需要が増殖したということだ。さ…

韓流とアタシ(1)

TV

近すぎると互いのアラが目につきやすくなるし、こと韓国に対しては後ろめたい過去がある。いじめの加害者がその過去をできれば葬り去りたい、なかったことにしたいと思うように、日本にとって韓国というのはごくごく最近までは煙たい国、できればあまり触れ…

横山秀雄著『看守眼』

被疑者の服役中の表情に違和感を覚えた刑務官が、退官後もその未決事件に拘り続ける表題作「看守眼」他5編、硬派なミステリ短編集。 語り部が多種にとんでいる。「看守眼」は、県警教養課(県警機関紙を編集している)に所属する26歳の女性事務官が退職者の…

酒井順子著『観光の哀しみ』

楽しいはずの旅行なのに現地に着いたとたんに感じる寂寥感はいったい…。観光は実にさまざまな哀しみ孕んでいる。そもそも招かれてもいないのに勝手に訪れて、そして観光客用ゲットーに隔離され、現地の人も知らないお土産を買うではないか。場所、交通機関、…

『天才華道家の美しき挑戦 假屋崎省吾展』

Art

横浜三越4階特設会場にて *1 会場を訪れる中心層は50代以上の女性で男の姿はみかけられず、「ウチラが平均年齢を下げているよね〜」と他愛ないことを喜んでみたりする。天井が低い。大きな華道作品を展示するのならば4mは欲しいところ。広がりを意識した作品…

電車にて

JR京葉線S駅から乗り込んだ小太りのサラリーマン氏、隣に座るいなや携帯メールをはじめた。そこまではいいのだが、男が身じろぐたびに服や体からある匂いがしはじめたのはまいった。悪臭もまいるが、そうでなくて、 いい匂い、焼肉の匂いだぁ…カルビにタ…

内田康夫著『終幕(フィナーレ)のない殺人』

箱根の大物俳優の別荘に12人の知名人たちが招かれた。過去2年続けて不審な死亡事故が起こったという因縁のパーティ。今年の事故を未然にふせぐため探偵の浅見光彦も招かれていたが、その目前で殺人が…。 浅見シリーズでは異色の“閉ざされた山荘物”。読んでい…

『足立美術館の魅力展』

Art

横浜高島屋ギャラリーにて 足立美術館*1は東京都足立区にある美術館ではありません。「1970年に島根県安来市に開館された美術館で、地元の実業家・足立全康氏の収集品を所蔵。横山大観をはじめとした近代日本画や陶器などの魅力的なコレクションと、出雲の豊…

近未来的日本橋

今日は所用で神田へ出向いたがはなはだしく無駄足であった。あーあ。徒労感を払拭するために神田〜日本橋〜茅場町〜八町掘を散策。徒労感は本物の疲労に。

唯川恵著『不運な女神』

さまざまな境遇で生きる、揃いも揃って男運が悪い女たちの小さな事件を綴った連作集。 さすが、当世の女心を気を衒わずに描写するのに長けてますなあ。母がボケてしまった娘の話では、自分の親がそうなったらというよりも、一人暮らしの自分がボケたらどうな…