内田康夫著『終幕(フィナーレ)のない殺人』

箱根の大物俳優の別荘に12人の知名人たちが招かれた。過去2年続けて不審な死亡事故が起こったという因縁のパーティ。今年の事故を未然にふせぐため探偵の浅見光彦も招かれていたが、その目前で殺人が…。
浅見シリーズでは異色の“閉ざされた山荘物”。読んでいてかなり違和感があった。ホテルなどで開催されるイベントのミステリーナイト用の台本をノベライズしたのであればこの出来も仕方ないけれど、どうやらさにあらず。とすると…うーん、駄作かなぁ。著者も解説で「自らのマンネリに対して警鐘を鳴らす意味もあり、ある意味習作ともいえる」と懺悔(?)してるし。水戸黄門が何百回も印籠を振りかざしていいように、内田さん、アナタも偉大なるマンネリズムでよいのですよ。
余談。本書は秋乃茉莉さんの作画で漫画化されている模様。漫画が先か、小説が先か?