本日のよろこびごと。(981)


多部ちゃんの ドS演技が 意外と様に(喜)
連ドラ初回の感想〜♪

  • 「ドS刑事」

ばかばかしくて面白かった。
多部未華子の役を具現化する能力はやっぱすごいね。「君に届け」のオドオド黒岩爽子と「ドS」のオラオラ黒井マヤをここまで演じ分けられるとは。まあこれだけ極端に違うと逆にやりやすいってこともあるか。精神的に犯人を追い落す言葉攻め、公園の遊戯でぐるぐる脳を活性化(?)してからの、「ひらめいたんですか?」「なにも」というそっけない肩すかし、しまいには鞭まで振り回してしまうという。って、やりすぎだろー。しかしそのやりすぎを演者が自覚しつつ楽しげに真面目に演じきっているのが清々しい。
ドSが獲物として選んだのがM片鱗はあまりないが受け身耐性のありそうな巡査(大倉忠義)だったというチョイスもなんか面白いね。ドS攻めを物欲しげにしていたドM同僚刑事は従順すぎてつまらんのか。なるほど勉強になります。
にしても、脚線のでる黒装束に鞭、ドSなセリフに不敵な笑み、ここまでやっても色気ゼロな多部ちゃんってある意味すごい。
漫画的*1なデフォルメ再現に全力投球、それこそがド9ならぬ土9の真骨頂。この枠ならこれという期待に沿う嬉しさよ。事件にもう少し捻った面白さがあれば。

*1:原作は小説だが

本日のよろこびごと。(980)


アルジャーノン  野島ワールドは いらんのじゃー(喜) 
ドラマ初回の感想〜♪

脚本監修に野島伸司が噛んでいることと、山Pが美形すぎるのがマイナス要素で当初視聴意欲は今一つだったが、他に見るもんねーしと視聴。そしたら、え、なんかいいじゃん、見て良かったわ。
「山P綺麗すぎ」が気になったのは彼が土手から滑落したところまで。痛みとトラウマでぐずぐずに泣き乱れ、血と泥と鼻水と涙に塗れた汚顔をさらす山Pから本気が伝わってきて。そこからグイッと引き込まれ後は最後までぐいぐい見入りました。
脇役もよかったよね。特に同僚役の窪田正孝工藤阿須加のリアルな存在感と芝居は素晴らしかった。彼らの働きで、前科持ちの青年らと知的障碍者の間に友情らしきものが芽生えていく過程が無理のない流れでゆっくり描かれた初回となり、とても安らかな心で見終えることができました。
よかった、これならエグい野島ワールドにはならなさそう。いや、まだ安心するのは早計か。障碍者/前科者/お嬢様など野島好みの要素が多すぎる。善人然とした社長のダークサイドも暴かれそうで、うっ、ダーク野島がイキイキしだしたらどうしよう、びくびく。

  • 「天使と悪魔−未解決事件匿名交渉課−」

コントラストの強いセピア色の映像に、渡部篤郎の気取ったしゃべり方や、剛力彩芽の硬い未熟さがあっていて雰囲気はいい。しかし23時代にしては生真面目すぎてなんだか眠くなってしまったよ。事件の構造は凝っていたが、真犯人の登場が遅すぎてルール違反をされたような気分になったし、メインとなる司法取引にも「あっ」と感心させてくれるような驚きやひねりが欲しいところだ。荒川良々の使い方はちとひねりが効きすぎていたが。

  • 「不便な便利屋」

そこそこ豪華で達者で玄人好みな演者・スタッフを集め、実験的な作品を作り続けるテレビ東京の深夜枠。ハマれば最高に面白いが。本作は岡田将生を主役に据えて見やすくし、遠藤憲一鈴木浩介と絡ませて、さらに無駄に美しい北海道の大自然。この時間帯でこんなに心洗われる里の景色を見せつけられることがあろうとは。ただいかんせん脚本が…。たぶん演者はノリノリで面白がってやっているのだろうシーンが続く、しかし観てる自分はのりきれず。

本日のよろこびごと。(979)


よく見りゃあ パンダ顔だね 斎藤工(喜)
今日もドラマ初回の感想〜♪

  • 「医師たちの恋愛事情」

これ意外と面白かったかも。
と、認めるのもちと悔しいが。だって“当代一のフェロモン俳優×ハズれにくい医者もの×22時代ギリギリのエロ”っちゅう斎藤工ありきの安易でクソな企画でしょ? 「けっ、こんなもんに引っかかってたまるかよ!」と勇んで視聴したのに、コロリと引っかかっただなんてなんだか情けないんだもの。
カメラワークやライティングなど一流の撮影技術を駆使し、斎藤工をエロ被写体としてカリスマ化しようと試みて、成功していたように思う。その技術のおこぼれで女性陣もかなり美しく撮られていたが、やはり何よりまずは俺の斎藤工を見てくれよという造りはあからさまだ。しぐさ・声・視線・思わせぶりな間合いなどからいちいち色気がダダ漏れで。指を首筋にそっと置き、じっくりねっとり這わせながら触診するシーンなんざ、ああっ2回も這わせやがった、たまんねぇー(じゅるる)
なんていうのはほんの序の口。隙あらば斎藤工の女殺しが始まるんだけども、お話も意外としっかりしていて見られるレベル。白い巨塔の中を彼が歩けばバラ色の色香が漂い、ラブの花が咲きまくる。外を歩けば桜がふぶく。ってセクスィー部長かよ。だがこの部長はラブだけでなく医療に対してもすこぶる真面目で熱意にあふれ、
「患者のためにできることをすべてやるのが医者の務めだと思います!」
と本心からのたまう熱血漢野郎でもある。俺はフェロモンだけじゃないんだ、そんな斎藤工の叫びが聞こえてくるようだ。その結果なのか、ちゃんと医局内の問題も描かれ、医療ものとしても意外としっかり作られていて、意外とまっとうなドラマに仕上がっていた。全部「意外と」ってのがつくのがミソだが。

本日のよろこびごと。(978)


期待した アタシの心 ポキッとね(喜)
ドラマ初回の感想〜♪

  • 「心がポキッとね」

うつ病で離職した男の話なんて今あまり見たい気分じゃないけれど、脚本とスタッフが「最後から二番目の恋」のチームであるという情報につられて視聴。うーん…期待はずれだったかなぁ。
心を病み現在は家具修理人として働く元エリートに、阿部サダヲ。元妻(山口智子)にDVが原因で捨てられたという過去がある。ん、この設定は無理がない? サダヲより女のが体格よいし、そもそも山口智子が無抵抗でむざむざ蹴られる女って感じが全然しないのだが。
元妻は中古ショップ経営者・藤木直人*1と恋人関係を謳歌し、彼の部屋で20代カップルのようにイチャイチャ浮かれていて見苦しいほどだ*2。そう、このイチャイチャが本当に見苦しい。役的に二人の年齢があと10歳若ければいいのにと思わずにいられない。特に山口さん、年齢からするとものすごくお綺麗なのだが…。とはいえこれは彼女の責任というよりも、きっと演出なのだろう。DV夫のせいで実現し損ねた楽しい20代30代の人生を取り戻そうと躍起になっている女という演技プランを踏まえると、こうならざるをないのだと解釈。
サダヲが一目ぼれした水原希子*3はストーカー気質で暴力的で、キレると道の看板やゴミ袋を豪快に蹴り飛ばす。お行儀の悪さをコミカルにデフォルメしたつもりだったとしても、視聴するアタシの道徳心を逆なでしてとっても不快だったです。
主要登場人物がみんな病んでいてどーも癇に障る。おかげで「最後から二番目」のいい意味での普通感やあけっぴろげな清々しさがまるでない。「最高の離婚」のように「実は、実は」で4人が繋がる世界観の狭さも手伝って、とにかくいまんところ、あんまワクワクしねぇーんだよなぁ…*4
癒しは天真爛漫な男を演じることに頑張っている藤木直人の健気さと、街のセラピスト(?)が「相棒」の暇課長だったってとこぐらい。来週は裏(日テレ)で堺雅人主演ドラマが始まるのでそっちに期待しよう。

*1:実はサダヲの恩人かつ雇主

*2:実はその階下にはサダヲが間借り中

*3:実は藤木直人にロックオン中

*4:最高の離婚」は世界が狭いのに面白かった

本日のよろこびごと。(977)


若すぎる 出産だとて 騒がずに(喜) 
3月中にBSプレミアムで見た面白かった映画の感想を書いておこうっと♪

2007年米加合作、監督:ジェイソン・ライトマン、出演:エレン・ペイジマイケル・セラジェニファー・ガーナー
恋人未満の男友達とつい好奇心で初体験し妊娠してしまった16歳の高校生ジュノの出産までのゴタゴタを、ユーモラスで抑制のきいた青春映画として描いた秀作。
十代での妊娠といえば志田未来主演のドラマ「14歳の母」が記憶に新しい。あれのゴタゴタはえぐかった。志田の両親はショックで混乱し家は一時大荒れに、赤ちゃんの父の家では会社経営の母が子育てを失敗したとゴシップ誌で叩かれて社会的に抹殺されたり。ドラマだからとはいえ、一部はリアルで後はやりすぎな展開が続いたが、この映画のゴタゴタは驚くほどに穏やだ。
ジュノの家は、父と義母、義母の生んだ弟の3人暮らしで、離婚した母とも連絡を取りあってはいる。少し複雑な環境だが、たぶんアメリカではわりと普通。妊娠を告げられた家族はそのときはちゃんと定型どおりに驚いても、彼らはみなドライでさばさばと現実を受け入れてあとはもうさっさとジュノの判断に任せることに決める。ヒスったり泣いたりしないのがいい。
14歳と16歳という違い、お国柄もあるだろう。にしても「14歳の母」とこんなにも違うなんて。社会がマチュアなのかな。
学校でのクラスメートたちの受け止め方もまた、「やっちゃったね、でもまあ自分でなんとかしなよ」程度のぬるい反応で、クラスメートのちょっとした変化の一つとして受け入れて後は放っておく感じ。腹ぼてを奇異な目で見られることはあっても、放校されたりいじめられたりの気配はない。「14歳」は学校が教育や周囲への影響という言葉で外へ放り出そうと画策していたのとあまりにも対照的だ。
ジュノはひとりで、時々友達と相談しながら考える(親に頼るのは本当にどうしようもなくなったとき、最後の最後だ)。
子供をどうしよう?
アメリカの新聞には「予定外の妊娠をした女性が受けられるサービス」の告知がでているらしい。よし、そこへ行こう。それは出産をしないという選択なのだけれど、すんでのところで引き換えし出産することを決めた。
さて、出産を決意してジュノは熟考した。学生の自分には生活力がなく育てることは不可能だ。生物学的父親はクラスメートで、今もいい友達だが「そもそもつきあっていない」ので結婚するという選択肢は念頭にない。彼は少しなよなよしたスポーツマンだ。ジュノのお腹の父親であることは普通に周知されている状態で、波風が起こることもなく今までと変わらない学生生活を続けていた。ただジュノと自分は「つきあってたと思っていた」のだけれども。この彼がなんかいい。
ジュノは新聞広告で里親をみつけ交渉し、気楽に遊びに行ったりと交流していく。そして交流が過剰になりすぎたらちゃんと引く。普通の映画やドラマならばその過程でジュノが成長していく姿を描くのだけれども、ジュノはもとから考え方が大人でしっかりしているので、母性に目覚めたぐらいで、人間として一皮むけるというほどの成長はみせない。ただ自分が「ものすごく普通でちょっと問題あり」だと思っていた自分の家が「なかなか悪くない家」だったことや、なよなよした男の子の大きさに気づいたりする。
出産までの9か月が、平凡な田舎町の美しい季節の変化とともに淡々とつづられ、出産を終えてジュノは元の生活に戻っていく。ただほんの少し前より楽しい世界が待っている。

本日のよろこびごと。(976)


桜下にて 三浦春馬が 釣れるものかは(喜)
週末にテレビ放映されてた映画の感想〜♪

主人公(多部未華子)は黒沼爽子・高校一年生、あだ名は“貞子”。苛められていないのに話しかけるとなぜか怖がられたり謝られたり、「3秒目が合うと不幸になる」と噂されたり誤解されているが、本来は心が優しくて誰かの役に立ちたいと人知れず雑用をこつこつこなす純粋でおとなしい女の子。入学式の朝、桜木の下でクラスの人気者・風早君(三浦春馬)に一目ぼれされ、以来なにかにつけて親しく接してくるようになる。惹かれあうも伝わらないもどかしい日々、お決まりのライバル出現とちょっとした意地悪と誤解、すれ違い、しかし最後には…みたいなやつです。
くううっー、なんてベタなのぉーっ!
冴えない女子が人気者男子とっていう、少女漫画原作のいわゆるスイーツ映画ってやつだけど、こーいうベタなラブストーリーはほんと好き。見ていて幸せになるもん。
ベタが陳腐になるか、いい感じになるかは演技力にかかってくる。そういう言う意味では多部未華子が抜群にうまかった。原作漫画の爽子にたぶん生き写しなんじゃないかななんて。いや原作未読ですがね、きっとこう描かれてるんじゃないかなという絵面がありありと浮かんでくるのだ。そして「こんな子居そう」「ちょっと自分と重なる」という少女漫画読者層の共感をよぶというね。
重くるしいロングヘア、目の上すれすれでぱっつん切りそろえられた前髪の真下からのぞく三白眼での上目づかいはバナナマン日村さんをほうふつとさせる愛嬌ある不気味さを醸し、
「どうって…風早君は…いつも…さわやかで…」
うつむきがちにぼそぼそ丁寧にしゃべる暗さがうざ可愛い。徹頭徹尾気弱で根暗女子を貫いていたくせに、ふいに体育祭でみせたアップのお団子ヘアにゃあギャップ萌え、「あ、こりゃ風早も惚れるわ」とやすやす懐柔されて。
相手役の三浦春馬もいつもながら演技が丁寧でいい。積極的にアプローチしているつもりなのに全然伝わらないことにいらだち、二人で話しているところに友達が来るとさりげなく離れて照れたりする演技の自然なこと。他の男子のことを「好きです…」と言う爽子に傷ついたりする表情にキュンっ。そのあと「好きです…でも特別な…という意味じゃなくて…友達っていうか」と続いて安堵してすわりこんじゃったりして、さらにキュンっ。こんなナイーブでハンサムな男の子に一途に思われるって王道そのもの。たまらんわ。「俺とつきあってくれないかな?」「え…でも今日はちょっと用事が…」みたいなお約束もありつつ…え、ちと演出があざとい?
“あざとい”といえば最近のスイーツの定番の壁ドンね。本作は2010公開なのでまだ壁ドン文化以前なのだね。そのかわりに、やきもちをやいた男子(誤解なのだが)が女子の腕をつかんで強引に連れ去るという、強引連れ去りキュンがあります。ここ、大好きなんで何度も見ちった。いちいちかっこいい春馬君と棒立ちの多部未華子*1の対比がすばらしい。いいなぁ〜。
この映画好きなのでしばらく録画消せないわ。映画としてすごく質がいいとか出来がいいとまで大絶賛はしないけども、全体的に明るくて、陰湿さ少なめなので何度見ても楽しいのです。
理解者となる女子二人は爽子が二人を遠ざけようとしても心情をおもんぱかろうとしてくれていつも味方だし、ライバル女子のいじわるも暴力的なイジメに発展しない。そもそも夜祭の境内でライバル女子から「風早なら(境内の)裏の空き地にいったよ」と教えられてノコノコそんな危なそう場所に女子が一人で行っても安全だったりって、いまどきの携帯小説ならエグイことになっていそうなとこじゃん。安心してみられるからいいのよね*2。だからって真似しないように。夜祭の裏手はたいがい不良がたむろっておりますもので。
あそうだ。教師役のARATAがなんかちょっとナゾキャスティングでした。出てくるたびに「なんでARATA? 好きだから嬉しいけども」と戸惑いました。
さて多部未華子さん、4月から爽子とは全逆のドSな刑事役*3をやられるそうで、持ち前の演技力でこちらも心持ち大げさに、でもなんか居そうな感じで、キャラを等身大っぽく演じてくれるのでせう。楽しみっ♪

*1:棒立ちは役作りですよ、念のため

*2:初見のときは、「危ない!罠かも!」と思ってしまったアタシはだいぶ心が濁っております

*3:日本テレビ土曜9時「ドS刑事」。あ、映画放映はその宣伝だったのか!

本日のよろこびごと。(975)


ワシオ君 失恋やけ酒 隣にゃカオリ(喜)
こんなにはまった月9ドラマはホントひさびさ。

  • 「デート」最終回

面白くて楽しくてぐっときて、ドキドキしながら待ちわびた今日。終わり方までもがすごくよかった。あそこはどーだとかここがどーだとかちまちました文句も今はちーっとも思い浮かびません。とても納得のいく終わり方だったもの。みんながハッピー、見終えたアタシもハッピーな気分になれる、それが娯楽ってもんだよね。
依子と谷口が桜をただ見続けるだけのデート、ただし自分たちの意志で手をつないで。ああほっこり。
詳細な感想をもしかしたら後から書くかもしれないけれど、どーかな。綺麗に着地したので、つつく余地なし、蛇足になっちゃうね。よって続編とかスペシャルとかも欲しがりません。この後の展開は勝手に楽しく想像できるから。3か月間ありがとう。