本日のよろこびごと。(976)


桜下にて 三浦春馬が 釣れるものかは(喜)
週末にテレビ放映されてた映画の感想〜♪

主人公(多部未華子)は黒沼爽子・高校一年生、あだ名は“貞子”。苛められていないのに話しかけるとなぜか怖がられたり謝られたり、「3秒目が合うと不幸になる」と噂されたり誤解されているが、本来は心が優しくて誰かの役に立ちたいと人知れず雑用をこつこつこなす純粋でおとなしい女の子。入学式の朝、桜木の下でクラスの人気者・風早君(三浦春馬)に一目ぼれされ、以来なにかにつけて親しく接してくるようになる。惹かれあうも伝わらないもどかしい日々、お決まりのライバル出現とちょっとした意地悪と誤解、すれ違い、しかし最後には…みたいなやつです。
くううっー、なんてベタなのぉーっ!
冴えない女子が人気者男子とっていう、少女漫画原作のいわゆるスイーツ映画ってやつだけど、こーいうベタなラブストーリーはほんと好き。見ていて幸せになるもん。
ベタが陳腐になるか、いい感じになるかは演技力にかかってくる。そういう言う意味では多部未華子が抜群にうまかった。原作漫画の爽子にたぶん生き写しなんじゃないかななんて。いや原作未読ですがね、きっとこう描かれてるんじゃないかなという絵面がありありと浮かんでくるのだ。そして「こんな子居そう」「ちょっと自分と重なる」という少女漫画読者層の共感をよぶというね。
重くるしいロングヘア、目の上すれすれでぱっつん切りそろえられた前髪の真下からのぞく三白眼での上目づかいはバナナマン日村さんをほうふつとさせる愛嬌ある不気味さを醸し、
「どうって…風早君は…いつも…さわやかで…」
うつむきがちにぼそぼそ丁寧にしゃべる暗さがうざ可愛い。徹頭徹尾気弱で根暗女子を貫いていたくせに、ふいに体育祭でみせたアップのお団子ヘアにゃあギャップ萌え、「あ、こりゃ風早も惚れるわ」とやすやす懐柔されて。
相手役の三浦春馬もいつもながら演技が丁寧でいい。積極的にアプローチしているつもりなのに全然伝わらないことにいらだち、二人で話しているところに友達が来るとさりげなく離れて照れたりする演技の自然なこと。他の男子のことを「好きです…」と言う爽子に傷ついたりする表情にキュンっ。そのあと「好きです…でも特別な…という意味じゃなくて…友達っていうか」と続いて安堵してすわりこんじゃったりして、さらにキュンっ。こんなナイーブでハンサムな男の子に一途に思われるって王道そのもの。たまらんわ。「俺とつきあってくれないかな?」「え…でも今日はちょっと用事が…」みたいなお約束もありつつ…え、ちと演出があざとい?
“あざとい”といえば最近のスイーツの定番の壁ドンね。本作は2010公開なのでまだ壁ドン文化以前なのだね。そのかわりに、やきもちをやいた男子(誤解なのだが)が女子の腕をつかんで強引に連れ去るという、強引連れ去りキュンがあります。ここ、大好きなんで何度も見ちった。いちいちかっこいい春馬君と棒立ちの多部未華子*1の対比がすばらしい。いいなぁ〜。
この映画好きなのでしばらく録画消せないわ。映画としてすごく質がいいとか出来がいいとまで大絶賛はしないけども、全体的に明るくて、陰湿さ少なめなので何度見ても楽しいのです。
理解者となる女子二人は爽子が二人を遠ざけようとしても心情をおもんぱかろうとしてくれていつも味方だし、ライバル女子のいじわるも暴力的なイジメに発展しない。そもそも夜祭の境内でライバル女子から「風早なら(境内の)裏の空き地にいったよ」と教えられてノコノコそんな危なそう場所に女子が一人で行っても安全だったりって、いまどきの携帯小説ならエグイことになっていそうなとこじゃん。安心してみられるからいいのよね*2。だからって真似しないように。夜祭の裏手はたいがい不良がたむろっておりますもので。
あそうだ。教師役のARATAがなんかちょっとナゾキャスティングでした。出てくるたびに「なんでARATA? 好きだから嬉しいけども」と戸惑いました。
さて多部未華子さん、4月から爽子とは全逆のドSな刑事役*3をやられるそうで、持ち前の演技力でこちらも心持ち大げさに、でもなんか居そうな感じで、キャラを等身大っぽく演じてくれるのでせう。楽しみっ♪

*1:棒立ちは役作りですよ、念のため

*2:初見のときは、「危ない!罠かも!」と思ってしまったアタシはだいぶ心が濁っております

*3:日本テレビ土曜9時「ドS刑事」。あ、映画放映はその宣伝だったのか!