本日のよろこびごと。(964)


おおっぴらに まっとうなこと 言えぬ世です(喜)
週末にとても良い本を読んだのでその紹介を、

  • 「マツ☆キヨ」

マツ☆キヨ
マツコと池田清彦*1の対談、これ超お勧めっす。
今の日本社会が普通であることをよしとするあまり、マイノリティをマジョリティに組み込もうとしている圧があることに疑問を呈す…ってのがとっかかりで、311とか原発とか社会とかさまざまなことが、至極まっとうな視点で論じられております。まっとうすぎてハッとするほどに。
4章に分かれていてその構成は、
(第一章)震災で見えた差別のしくみ
(第二章)「情報化社会」の少数派として
(第三章)誰がマイナーで、誰がメジャー?
(最終章)マイノリティの生きる道
心に残ったのは、(対話の主軸とは少し離れてるんだけども)ラオスで「二期作できる気候なのに何でしないの?」と問うたら「なんでするの? 今の収入で足りてるのに」と返されたという話。足るを知るべしということのたとえとして出されていて。対話はこれを支点に仕事の意味や金権体質などにも一石投じる方向へ拡げられていくのですが。
種々の社会のヘンに対してはっきりと切り込み、場合によっては角が立つようなことも適宜指摘しつつ。とはいえユーモアもあり、二人が決して大上段からものを申すことがないのですっと飲みこめるのだよね。真面目な話だけど堅苦しくないし。斜に構えた、アウトサイダー的な二人だからこうまで言えるのだとしても、最近世の中がヘンだなと感じていたもろもろが、ちゃんと明晰な頭脳でヘンだと指摘されていて、すごくいろいろ腑に落ちました。
ホントにいい本なの。みんな、読めばいいのにー。