井上荒野著『だりや荘』

ペンションを営む美人姉妹と、妹の夫。3人の織り成す不思議な人間模様。
ペンションを訪れたお客様に「東京からくるとここは別世界。まるで舞台の中に入り込んだみたい」と、おもてなしの美しさや居心地の良さを賞賛されるペンション。でも「舞台」という言葉に小さくちくりとしてしまう姉妹。三角関係なのにタッチがとても爽やかなタッチなので、真綿にくるまれた棘のようでした。
荒野という名前でふと連想した『少年は荒野をめざす』少年は荒野をめざす 1 (集英社文庫(コミック版))の吉野朔美さん、彼女の作風になんか通じるものがありました。