『シャンプー台のむこうに』

全英ヘアドレッサー選手権に出場するとある家族。父と息子、離婚した妻とその妻の愛人という特殊な編成の彼らがひとつの目標に向かううち、次第に家族として再生していく人情喜劇。
やばい、アラン・リックマンに夢中ですわ。貴族的で怜悧そうな彼が、しがない町の理髪店とは。んで、超さえない仕事着で鋏をかまえてちょきちょきしている風情の愛らしさといったら、ないです。たまらんです。ダイ・ハードのテロリスト、『いつか晴れた日に』の紳士様、そしてしがない理髪店。うーん、こういうギャップに女は弱いのですよね(ってホントかよ!?)。
脚本家サイモン・ボーフォイは『フル・モンティ』という強力な実績がある人で、人情喜劇としての完成度が高いのもさもありなんと後から思う。敵役ビル・レイの怪演も爆笑喝采もの。彼の妨害工作があまりにもせこくて笑っちゃいますね。奥さんが駆け落ちした相手ってのが・・・とは。ふぅ、いきなり意表をつかれましたし、ヘアドレッサー部門のフリースタイルって、フリーすぎじゃ!とか、いろんな驚きがめじろおしで、まるでおもちゃの缶詰め。
これは拾いものなのでした。