中村うさぎ著『穴があったら、落っこちたい』

週刊文春の連載でブレイクしたご存知お買い物の女王の書き下ろしエッセイ。彼女の「初体験」をいろいろと振り返って1冊にという企画だったが、それでは半分しか埋まらず、後半は過去を振り返るときに調べた時々の大事件をとりあげてコメントしている。2部構成のエッセイ集。
意外とこの後半部がおもしろい。とりあげた題材は、東京電力OL殺人とか、あさま山荘とか、大久保清とか、いろいろ。お買い物女王の破天荒ぶりに隠れている彼女の聡明さと冷静さが前面にでている。といって堅苦しいことはなく、彼女なりの視点もいかんなく発揮されている。かなりお勧め度高し。アタシ自身の記憶をふりかえることもできて2度おいしい。
ちなみに前半の初体験あれこれ。はじめてランドセルをしょった日とか、そういう内容。初体験といってもそっちのお初は書いてません。あとがきによれば、普通すぎてさして書くようなこともなかったそうで。