群ようこ著『トラブルクッキング』


料理べたな著者が毎回さまざまな料理に挑戦し玉砕する姿をつづったエッセイ。
餃子だとかカレーだとかわりとベーシックな料理は失敗するくせに、外で2回しか食べたことがないというタイ料理で大成功したり、肉じゃがに挑戦するために作家ものの土鍋を買うところからはじめたり、材料をそろえるとこにはしぶとくこだわるくせに、いざレシピを読んで「豆腐を固める…ってなに?どーいうこと?」という疑問にぶちあたっても、「まあいいか」でスルーしまう。そのアンバランスさがリアルで秀逸。
アタシもわりとよく失敗するし、いままで食べた中で一番まずかったのが自分の手作りした料理だったりもする。群さんがすごいのは、どれほど変な色やにおいになっていても、口に入れたとたんに「うーむ」としかいえないようなものでも、明日の健康に不安を覚えつつきちんと最後まで食い尽くすところだ。失敗は真似できても*1、それだけは真似でけん。

*1:いや、真似しているわけじゃなく不可抗力ですが