混ぜたいっ!(3)


というわけで、アドバイスも受け入れて牛乳と卵の黄身さえあればアイスができる!という日清のバニラアイスミックスを100円ショップで購入してアイスクリームつくりに挑戦。ま、挑戦ってほどのことでもない、ホントに混ぜて冷凍庫に入れるだけの安直さなのでね。ともかく今回の目的はアイスをつくることではござらん。「新しい泡だて器で混ぜてみる」というのが最大の目的であったのだ。で、ボールに黄身と牛乳と粉を入れて混ぜてみた。泡立て器の取っ手を持ちぐんぐんぐんと上下に動かすと、液の中でさしたる抵抗もなく先端部のわっかがくるくると回し始めた。わー、すごい。ここまで楽ちんだとはっ。なんの造作もなく液がとろりとしたクリーム状に変質してゆく。それはあまりにもあっけなかった。またたく間に作業は終了し、別の容器に移してあとは冷凍庫に任せるだけとなった。あっけなさすぎて、ちとつまらん。
そして3時間たち庫内から取り出すと、おおアイスクリームができている(当たり前だが)。さじですくうと、とろりとした粘り気がいかにもそれらしい。わくわくする。食ってみた、味は…んー、いまいち? そんなに感激するような味でもない。まずくはないが、期待していたような「手作りは、さすがに鮮度が違うわ! んまんま」というような感動がないのだ。甘さの加減もいまいちアタシの好みではない。肥えすぎてしまった舌にはインスタントものは不足なのか。
子供のころに、大汗を掻きながら氷水に浮かべたステンレスのボールに入れた牛乳やら卵やらバニラエッセンスやらを必死にかき回していたあの苦労。しかしその汗や疲労感があったからこそ手作りアイスのうまさはまたひとしおであったのかもしれん。その苦労の味付けがないのだからこそ、きちんと材料をそろえて素材にこだわってちゃんと作るべきだったのだ。次回はそうしよう。