日明恵著『そして警官は、奔る』

不法滞在者の戸籍のない子供たちが人身売買されている。幼児性愛がからんだ衝撃的な事件を追って、生真面目すぎる武本刑事と、お茶の家元の次男坊で元刑事の爽やか青年潮崎が活躍するシリーズ第二弾。
法律では割り切れない問題とどう折り合っていくか悩み続けるふたりの男。とことん悩んだ挙句に選んだ結末はかなりビター。そもそも法律なんて人間のつくったものじゃん、そんなに四角四面に受け止めなくてもよいのに、どうしてそこまでこだわるんだ?と終止イライラしてしまったのは考え方の違い。一作目で好感を持ったはずの潮崎のキャラがやたらとうざくて終いには嫌気さえ感じてしまったのも、そのせいだろうかね? オリエント急行殺人事件ポアロ氏の裁量は小気味良かった。そりゃまあ、あっちは私立探偵だからできたこと。だから警察小説は難しい。