斎藤由香著『窓際ＯＬトホホな朝ウフフの夜』

サントリーの窓際ＯＬにして、健康食品事業部でＥＤ障害に効果があるマカを売る、自称「マカ売り娘」、しかしてその実態は天才歌人斉藤茂吉を祖父に、芥川賞作家北杜夫を父に持つサラブレッド。おおらかなお嬢さんによる、処女エッセイ。
マカ娘によって暴露され、社長に「この会社はオモロイなあ。アホな社員ばかりおってだいじょうぶやろか？」と言わしめたサントリーの社風の明るさはかなりおもろい。
だがそれよりなによりもマカという商品に興味深々なアタシ。

マカの主成分は、ペルーの根菜マカと、中国伝承の冬虫夏草。両方を組み合わせて総合的にホルモンバランスを良くしてくれる。

ふむふむ、なるほど。なになに、精力剤だからといって男性に独占させておくようなもんじゃなくて、女性にも活力をもたらしてくれるのだと。うーむ、それならばぜひいっぺん試してみたい。
マカかあ…と早速マカ検索。Yahoo!Shoppingの健康、ダイエット＞健康食品＞マカというカテゴリで128件もヒット。絶倫無双摩詞、キリン　マカの恵み、小林男性ヘルプ、燃える闘魂力、皇帝倫、などなど楽しい商品名がずらずら。「女性の美容と健康維持に！ピュアマカ」なんてな女性向商品もあるようで、1974円と意外とお手ごろ価格でした。ふふ。
でも女性向きならやはりサントリーのmacadiaでしょう。http://www.suntory.co.jp/liqueur/macadia/

アンデスの「ぶどう蒸留酒」をベースに、 マカ、ローズヒップを漬け込んだ爽やかなリキュール。
マカとローズヒップのパワーが「キレイと元気」を応援します。

600ml：1,086円/275ml：552円（税別）とお手ごろ。あ、なんかすごーくその気になってきた（その気ってヘンな気じゃないっす）。
ちなみに前述のサントリーの社長は秘書に「実はこれウチのことなんです」と教えられ、「そうか、ワッハッハッ」と大笑いしたとか。元気社長、マカいらず。
エッセイの後半は北杜夫パパとの日々あれこれ。
中学、高校と北杜夫さんのエッセイのお世話になっていたアタシにはこちらがまたなんか素敵なおまけをいただいたみたいで嬉しい。躁うつ病って、北さんのエッセイで読んでたぶんにはただのおもしろエピソードだったけれど、内部にいた奥さんと娘さんにはほんっとたいへんだったのだね〜。うつのときはおとなしいからまだいいけれど、躁病で株に狂奔して破産とは…まさに、とほほ。荒れる父と止める母のバトル。けっこう修羅。躁でランパブめぐりするぐらいならよいけれど。