本日のよろこびごと。(983)


敵か味方か 年収5億*1の セレブママ(喜)
連ドラ初回の感想〜♪
3本もドラマが重なる火曜22時の激戦区、初回も全部重なるなんてむごすぎる。どれもつまんで見てみたい視聴者の気持ちも慮りやがれ!と思いますですはい。

  • 「戦う! 書店ガール」

稲森いずみが出てるので「曲がり角の彼女」テイストを期待して見たら、舞台がホテルから書店に変わっただけでおおむね彼女周りは期待通り。
大型チェーン書店の副店長としてバリバリ働き、部下には厳しいことも言うけれど慕われており、店長(木下ほうか)の日和見に困らされたって、ざっくばらんに言い合える同僚(濱田マリ)がいる。当然、恋の予感もあって、年下店員(千葉雄大)と飲み屋の隣客(田辺誠一)の間で曲がり角を過ぎてしまった女心が揺れて。ね、布陣も手堅くいい感じっしょ。もうこれだけで一つのドラマとして成立すると思うんだけども…。
ここにAKBから現役アイドルをあえて投入。新宿店から異動してきた新人(渡辺麻友)が一陣の風となって旋風を起こし、停滞した彼女曰く「ちょっと暗い」吉祥寺店の中を少しずつ変えていくというアイドルドラマ要素をプラスしたわけだ。さて。
ビジュアルは可愛くて、芝居も案外できていた。新人らしいはきはきとした言動がハマっていて渡辺麻友の初主演としてはじゅうぶんすぎるほど合格点だったと思う。影での努力も惜しまないイイ子設定もちゃんとあって、アイドルそこは外さない。ただし、そこが、うん、確かに表面だけをさらっているとイイ子…なんだろーが、この彼女に関してはなぜか少し見ているほうをイラッとさせるんだよねぇ。
例えば副店長と初顔を合わせたとき、他の店員が皆「おはようございます」と朝の挨拶をしていたのに、彼女は挨拶なしでいきなり「あのっ、アタシ思ったことがあって」などと己の意見をぶつけてくる、第一印象の悪さ。会議では空気を読まずにいきなり「はいっ!」と挙手して流れをぶち壊す。なあなあの馴れ合いを壊すのはいいことだし、やる気あふれる新人の微笑ましさでもあるのだが、彼女の場合、いちいち立場をわきまず我を通そうとするようにみえてしまい、社会の仕組みを知った人間からすると「なんなのこの子?」。大文具メーカーの孫娘のコネ入社で店長も社長も常にご機嫌伺いをしているという設定も盛られ、ますますなんかムカつく。
ただこのイライラは制作意図通りだろう。視聴者よ、これがアイドルドラマだということを忘れるなかれ。見続けているうちに「イライラしたけど→ごめん、ホントはいい子なのね→アタシは好きだな→ファンになっちゃった」と転ばされていく仕組みなんだから…などと油断してたら、稲森の元カレとタクシーに同乗してニコニコ、って、てめー何やってやがるぅうー!(怒)

  • 「美女と男子」

IT企業からいきなり畑違いの芸能事務所へ左遷出向された女(仲間由紀恵)が、零細事務所のポンコツ所属タレントと、自らスカウトしたやる気なし男(町田啓太)の尻を叩き、敏腕マネージャとして奮闘するコメディ。
テンポいいし、わりと面白かったです。設定などはさほど目新しくないけれど、NHKの財力と資材と人脈を大いに使って「こんなとこまで金かけて再現しなくても」と思うほどにぎにぎしく仕上げていて、楽しく気楽に見られるのがいいね。
仲間由紀恵は多少老けたと言えやっぱすげー綺麗だわぁー。別格。芸能関係者からつぎつぎ「女優志望?」「新人さん?」と間違えられるのにものすごおぉく説得力があります。
相手役抜擢の町田啓太も「おっ、誰だこのいい男」と引きのあるイケメンで目の保養ばっちり。「ビーチボーイズ」の反町+竹野内÷2+凡庸さ、みたいな。凡庸さはドラマ世界に溶け込むために有利な要素なので悪口ではありませんあしからず。劇団EXILE出身のわりに芝居がこなれていて力みがなくて、拾い物かと。
さらにもっと拾い物というか、うまいところを拾ってきたのがロード離婚係争中の高橋ジョージ一発屋の栄光を屈託なく消化して今は通販番組のホストに全力投球というやや自虐的な役を明るくこなし、痛ましさがないのがすごい。
さて来週の予告もなかなかはっちゃけていて、やる気なし男をスターにすべくいろんなところにねじ込んでいる芸能あるあるとか、AKBみたいな歌謡群舞少女などもチラ見して、ハチャメチャ感で芸能界の裏を笑う路線はもしや「あまちゃん」でしめた味?

  • 「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」

セレブ幼稚園におけるママカーストの修羅、そこへ場違いなシングルマザーを混入しママイジメに一石投じるみたいなヒューマン群像劇かしらん。
視聴する前から既視感ぷんぷんで3本の中で一番視聴意欲がわかず、NHKドラマ終了後からのラスト15分ぐらいだけ視聴。見られた部分は、2つの主要シーン。
息子の絵を隠されたシングルマザー(木村文乃)がセレブママらに「アタシになら何をしてもかまわない。けど今度息子を悲しませたら許さない!」と啖呵を切るところ。木村文乃はとっても「斎藤さん」ぽかったけどなかなかいい。ママチャリを蹴飛ばす長谷川京子のキレのガチ感や、ラスボスのごとく登場し一言放って場を震撼させた超セレブママ(檀れい)の敵か味方かわからなさにもワクワク。
もう一つのシーンは、5人のママたちの家庭の闇(おそらくママ友には秘密にしている)が視聴者に向けて暴露されるところ。うわわ、やさぐれた安達祐実がタバコを吸ってる!とか。
たった15分たらずでも意外と面白くて。あれっ、もしやこれが一番ちゃんとしたドラマだったかも。

*1:「マザー・ゲーム」の檀れい演じるママのドラマ公式設定より