本日のよろこびごと。(973)


ワシオ君 君に恋せぬ 女はいない(喜)
ドラマの感想〜♪

  • 「デート」第9話

面白かった〜。
もう"今日のワシオ君は"なんて付け足し扱いしないわ。だって今週はひたすらワシオ君がかっこよかったんだもん、彼中心で感想を書いちゃう。
彼はホントに素敵。8月9日という数字にのみやたら興奮するヘンな依子を見ての感想が「か、かわいい…」、プリティウーマンのようなデートを素でやっちゃう、初デートでゲロを浴びせられても気にしない、「1週間後に挙式を」などと無茶な提案をされたときのあの笑顔。もうたまらんわっ。しかも彼は相手の弱みに付け込むようなことはしない、清廉さも持ち合わせていて。EXILE谷口も似合ってたが、人として器が違いすぎました。
まあ一番素晴らしいのは、心から依子のこと可愛い愛しいと思っているところよね。いいなぁ、アタシも、
「あなたと恋がしてみたいです!」
そんな完璧な当て馬ワシオの努力が本当の意味で報われる時がやってきたわけです。
スケート場にて。
「自分は身を引きます。本当の愛とは相手の幸せを願うことだから」
「アタシも別れてやるよ。二人を祝福するよ」
「とぼけるな、お前らお互い好きなんだろ。見つめ合ってみろ、本当の気持ちに気づくはずだ!」
ワシオ・カオリ・金髪兄の三者が結託し、依子と谷口の幸せのために身を引こうとするところまでは予測の範囲だったが、よもやそこからまさかの恋のベクトルが暴かれる展開になるとは!
ワシオやカオリとのデートを避けるようになる二人。なぜそんなことをしたのかというと、
不本意なんです!」
本来の己らしからぬことばかりしてしまう。
「でもこんなの僕じゃない!」
「デートが楽しすぎて困ってるんです!」
え、そーいうこと? どーいうこと? 
そこからは怒涛の長台詞の掛け合い、これがめちゃくちゃ面白かった。まさに「デート」の真骨頂ここにあり。視聴者の気持ちをやや踏みにじっていながら完璧な理論で有無を言わせないところまでねじ伏せられるからこそたまらんのだよ。って、なんかマゾっぽい?
依子と谷口を結び付けたいと願っていた視聴者は、おおいに動揺したはずだ。
えっ?
「もうこれでおしまいにしましょう」と言いながらもおしまいに出来ず、連絡相談のほうれん草を続けていたのはなぜ?
本当に好きな相手に対して自分を忘れないでと牽制していたんじゃないの?
だって電話を切る瞬間にあんなに別ちがたい微妙な表情を見せていたじゃん?
二人は惹かれあっているんだなぁとうっとりしたあたしの気持ちはどーなるの?
ウソでしょ、恋し合うべきは谷口&依子だろ?
という多くの想い込みや願望は木端微塵に打ち砕かれた。
「(自分がコントロールできなくなる状態)それが恋をしているということです」
依子は軽蔑していたバカOLになりはて、谷口は教養のない庶民に堕す。そうだったのか?! それが、
恋の魔法ね〜♪
ふむ、確かに恋ってそういうものだったかも。相手に好かれたいと願うあまりふいにオシャレに興味を持ち、髪型を気にし、電話をびくびくしながら待つ。やがて己を繕っていることに疲れ、本来の自分像とずれていることに気づき、罪悪感と嫌悪感で苦しくなって「ヘンだ、こんなの自分じゃない、もう別れていっそ楽になりたい」と思うものなのだった…かも。
いやアタシだって依子の様子を見ていて「恋をしている女性」であることにうっすら気づいてはいたんだよ。でも谷口がいるのに…って思ってさ。
さてワシオ君に押され気味であまりいいところがなかった谷口タクミ氏。彼が高等遊民になった理由が明かされましたね。
肉親を小ばかにされてへらへら笑って同調しその場を穏便にすませること、それが社会人の処世だというのなら自分はそんな人間になりたくないしなれないというのがその理由。単純な圧迫面接とかいうんじゃなかったことに、少しほっとしたというか、彼の優しさがにじみ出ていてよかったけれど、少し悲しい気持ちにもなっちった。
確かにあるよね。社会では己の振り上げたこぶしを笑顔で殺さなければいけない瞬間が必ず何度も訪れ、「仕方ない」という言葉で片付けて。でもそれが丸くなるっていうこと。谷口はずっととがっていたかった。ずっとまっすぐでいたかったんだよね。よく言えば現代のピーターパン。
来週はもう最終回か。寂しいなぁ。恋愛不適合者のピーターパンとウェンディの結末を見守りたいと思います、覚悟して。