本日のよろこびごと。(958)


ワシオ君 依子が君に くれると思うか?(喜)
ドラマの感想〜♪

  • 「デート」第4話

クリスマスデートの巻。二人が互いの良き理解者への第一歩を歩み始めた回だったかもしれんね。面白いというよりも、なんかいろいろと泣かされそうに。
高等遊民を選択するにいたった過去のいきさつ(の一部)が母から語られるくだり、母の声に階段の暗闇で耳そばだてる息子の表情は、哀愁を帯びて複雑で。母の愛と己のふがいなさ、総てを理解し受容し諦観し高等遊民へと至った男の顔。ダメ男の時は本当にいい仕事をしやがる長谷川博己
脚本も毎度ながら大したものだ。「天才になれないと気づき、さらに凡人にもなれないと気づいた」とはなんて悲しいあるあるだろうか。胸がえぐられました。さらに子供時代の親に対するエピソードの対比によって、谷口の本質的な優しさが明かされ、清廉潔白を求めすぎた依子の独善性は暴かれて。準備が整いついに決定打となる一言が放たれる、
「君には心がないんだ」
凍り付く依子。
「14人目です。私に『心がない』といった人の数」
ううっ(涙)。純粋で頑固なのが度が過ぎちゃっただけなのにね。容姿や賢さに惹かれて近づき心に怪我を負った13人の返す刀が、いつもこの言葉だった。13人から異口同音に「心がない」と投げつけられ一層ならぬ13層も頑なになってしまったのだろう。
しかし依子に「心がある」ことを視聴者は知っている。“母との対話”という形で可視化された脳内会議により、悩み動揺し迷っていることは提示されていたのだ。だからここで視聴者は依子に寄り添い、心の傷を共有する。そこへ絶妙なタイミングで谷口が、
「そんなことはない。心のない人間なんていませんよ」
これはくる。やばい。魔法のように堅く凍り付いた心を一瞬で溶かしてしまう破壊力ある言葉がきた。ちくしょー、優しいいいやつだな谷口ぃー…。などと絶賛しておいてふと我に返る。もとをただせば「心がない」と言い出したのはおまえだったやん!
さて今週のワシオ君は。
前3週に比べて頑張りが足らず、依子父の許しと後押しを受けたくせに、クリスマスの誘いは速攻撃沈し、依子が父にあてた初めてのクリスマスプレゼントを勘違いで自分のポケットに入れてしまった。まあ彼ならいいや。邪魔なだけで害はないし面白い。報われんけどもがんば。