本日のよろこびごと。(946)


大奥に 渦巻く雑念 頭まっしろ(喜)
ドラマ初回の感想〜♪
今日始まった2本。

書けなくなった人気作家(中谷美紀)のために、作家志望の田舎女(水川あさみ)がゴーストライターを務めるが、やがてその関係は破たんを迎えることに…みたいなエグそうなお話。
あの佐村河内スキャンダルから思いついたに違いない、企画のあざとさと出落ち感に、「どーせ安直なドラマだろー」と期待しないで見たら、意外にもしっかり作りこまれていて見ごたえがあり。脚本・役者・演出、どれも水準をクリアしていた。
作家が安易な流れでゴーストを許容してしまうのかと思わせておいてどんでん返しで一矢を報いた脚本に「おっ、やられた!」。才能の枯渇に苦しみながらも、いずれプライドとの折り合いをつけゴーストに頼ることになる経緯を、今後じっくり丁寧に描いていくつもりだなこんちくしょー。
中谷美紀は全編通して凄味があって。つーか、凄味がありすぎてちと怨霊めいてたよね。老いをカメラに晒すことをためらわず演技プランとして取り込む女優魂には恐怖すら。強かさと野心に無自覚な田舎娘に水川あさみはぴったりだったし、田中哲司の人でなし感は最高だし、認知症毒母役の江波杏子はさすが怨霊の母、やっぱ怖すぎー。怖気たところへ菜々緒と三浦翔平、お二人がいてくれてホント助かりました。
レトロ建築の出版社、紺碧の海を臨む白亜の豪邸など、ロケ地も雰囲気づくりに一役買い、面白いという以上にまっとうにドラマのていをなしていたことに驚いた。いや、面白いんだけどもね、なんかそれを素直に言いづらいんす(笑)

  • 「まっしろ」

セレブ病院のナースセンターを大奥になぞらえ、玉の輿狙いで乗り込んだ田舎娘(堀北真希)が思惑や因習に戸惑いつつも…というコメディなのね。もっとドロドロしてると思ったんだけども。
“ナース版大奥”をうたっておいて“大奥”に期待する魍魎感を醸し出していたのが木村多江婦長だけってどーいうことよ。他のナース連中はわりと普通、嫌味だったり愚痴っぽかったり派閥作ったり媚びたりしてる程度で、それじゃあ「ナースのお仕事」と大して変わらんぞ。
堀北真希は顔がシャープになって美人になったなぁ…天才ドクター役の柳楽優弥は動きがたまにぎこちなくてなんかヘンだし、太眉眼鏡のせいでなんか実写版食い倒れ人形に見えなくも…ああ、赤シャツなんか着てるとますます食い倒れる〜。志田未来は相変わらず巧いけども演技がちとパターン化してきちゃったね、などなど。
はい、そうです。途中で飽きて雑念ばかり。話が入ってこず、頭まっしろ。