本日のよろこびごと。(933)


不器用な はいりの恋に ハラハラす(喜)
映画みてきたんで感想を。

  • 「小野寺の弟 小野寺の姉」

間宮兄弟」のごとくいい歳をして二人暮らしする姉弟。その配役に片桐はいり向井理と聞けば、
「いや、いくらなんでも無理があるだろー!」
っていう条件反射を利用したところが発想の勝利だよね。もはや面白そうだもん。
姉はモテないが弟は普通にモテるらしいから、配役としては正しい。姉の現状には弟が責任を感じる発端があり、弟の独り身には姉が負担となって…というしがらみを呑み込んで、それでも日常は平和で、やや余計に想い合う姉弟の関係が昭和的民家を舞台に描かれていく。穏やかさに和み、たまにクスリとさせられて。という展開は悪かあないが、まあほぼすべて予想どおり。
役者で言うと、はいりは期待に違わず、向井理は期待以上かな。はいりさんによって、向井氏の良さが引き出される良い相乗効果が見られたように思う。二人の相性は驚くほどよいです。並ぶとぜーーったい血縁なさそうなのに、姉弟らしい馴れ合いの空気ができてて(いちお普通に血縁設定)、男女を感じさせないイチャイチャがかわいい。二人して恋愛詐欺で壺や不動産を買わされちゃうんじゃないか的な危うさが、やっぱ似たもの姉弟だなぁと。
片桐はいりってやっぱすごいよね〜。ベッドでぜーぜー動揺している切なくきゅんとくるシーンでも、どうしようもなく漂ってしまう面白さ。哀愁、あらゆる場面で光る存在の怪異さ、などなど。監督がその存在力に頼りすぎてた気はせんでもねーが。うそくせー展開があっても片桐はいりが目くらましになるし。ずりぃ。
及川光博の使い方もひねりを効かせていたのでそーいう仕掛けが好きな監督なのかもね。ミッチーらしくない役柄で、他にもっとピッタリな役者がいるだろうに、終盤になってくると、そぐわなさゆえにワクワクが増してくる不思議な効果がもたらされたりして。話の弱さを配役でカバーしてるのがずるさなのか、うまさなのか。
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*1:余談:映像が惜しい。ピンボケが多く、それがもとからなのか映写ミスなのかわからん。もう少しクリアだったら…