本日のよろこびごと。(932)


原作への 思いが視聴の 邪魔をして(喜)
連ドラ初回の感想〜♪

  • 「すべてがFになる」

原作のS&Mシリーズ、Vシリーズ合わせて超ハマった過去があります。という前提で視聴。
綾野&武井のキャストを知ったときは「意外といいかも」と。実際見たら、萌絵(武井咲)の好奇心が先走る無謀なキュートさはイメージに近くてかなりいい。しかし犀川綾野剛)は感情が言葉に乗りすぎていたし、挙動のちまちましているところにも違和感が。クールで飄々、俗事や他人に我関せず(ただし萌絵を除く)的な人物ではなかったかと。でもそれはいい。そういう犀川&萌絵なんだなと飲み込める範囲。
悪いのは演出だ。もたついているし、見せ方が稚拙。冒頭の真賀田四季との対話シーンなどはそれこそバンバンCG駆使すべきところだろう。ありきたりでも機械語を画面に走らせるなどの画像処理を施して四季の超越性を高めるなどの演出努力なりをし、生身の女優に真賀田四季をやらせることの無理難題をカバーしてやらなくてはいかん。初回は四季の声と顔のパーツのみにして視聴者の想像を掻き立ててるなど、実体を小出しにして神秘性を高めたほうがよかったように思う。
さらにグチグチいわせてもらうが、研究室内で連続殺人が起こっているにもかかわらず緊迫感がない。恐怖心というものがない不思議さよ。まあそこは原作でもあまりないからいいとしても、このドラマに足りないのはクールさだな。クールでシャープで理知的で整理整頓された原作のデジタル的心地よさが皆無だった。たとえば最初に死体を発見したときのリアクションに目新しさがまったくない。鈍重でなんだかとってもつまらないシーンになっていたのがもはやこのドラマの出来を象徴しているともいえる。膨らませるところ、シャープに切るべきところの比重がダメ。
まあ、もはや別物としてみればどーってことない普通の学園ミステリで合格点なのかもしれん。アタシにゃあもうわからん。

  • 「女はそれを許さない」

おどおどしたふかきょんがとってもかわいい。それだけで自分にとってはいいドラマということになる。態度のデカい寺島しのぶはかっこよくて、上川隆也松重豊の使い方も定石通り+αで悪くない。なんか落ち着く。初回にしてかなりこなれて普通にちゃんとした意外といいドラマ。ただただ地味なだけ。