本日のよろこびごと。(868)


知り合いと 宅配以外には 居留守を(喜)
アタシ、なんか狙われてるんすかねぇ。昨日の詐欺ネタを書いてる間にもこんなことが、

  • 詐欺はうちにもやってくる

玄関チャイムの音がした。インタフォンにて応答すると、
「この建物の中で風呂のリフォーム工事を予定しているものですが、各戸に話をさせてもらっていまして…」
ふむ、アレかと思う。アレというのは、“住居内リフォームする際は騒音がでるので四方の住戸に事前許可(サイン)をもらって提出する”という団地の決まりごと。おそらくそれでサインをもらいに来たのだろうと思ったのだ、このときは。
「とりあえず玄関先まで…」
乞われたのでほいほいドアを開けた。立っていたのは、一見真面目そうな、短髪中肉中背、肌荒れ以外は特にこれといった特徴のない30前後の作業服の男。ビニールファイルを開いた形で、こちらにその中身を見せつけるように携えている。風呂場の見取り図のようなものが描かれた紙、右下には名刺が挟み込まれていた。
「実は別のお宅でリフォームをするんですが、団地内で数軒まとまっていただけるとお安くなるので他に申し込む家がないか希望を聞いてまわっています」
え、サインが欲しいんじゃないの?
「いや、うちはリフォームとかいいです」
「建築後にリフォームされてますか?」
断ると質問で食い下がってきた。
「いえ、してませんが」
ちゃんと応えてしまった。これはたぶんかなりまずい対応だったと思う。つけ込む糸口を見せてしまったということだから。
「あー、だとしたら築年数を考えるとタイルや漏水工事の耐用年数がそろそろ切れる時期なんです。ご存知でしたか?」
「あー、そうなんですかぁ…」
やばい、かなりやばい。受け流したくても、流してくれない押し問答がしばらく続いたあと、
「とりあえずうちで受けられる案件かどうか現場確認だけさせてもらえませんか。実際に風呂の天井配管を確認しないと住戸によって多少の構造上の違いがあるので。1〜2分で済みますから」
などと言い出した。
えっ、入ろうとしている? こ、こわい!!
「いりません。リフォームするつもりはないので!」
少し強くでたら、さすがに深追いはしてこなかった。なんとか追い返せて胸をなでおろしたものの、心にぞわぞわと黒いものが広がっていく。
前のめり気味にネットで“風呂、リフォーム、訪問販売”で検索をかけると、おおっ、やはりその手の詐欺まがいの悪徳商法に関する警告がヒットするじゃんっ。
“「近所へ工事に来ている」と飛び込みで訪問してくる業者の場合はご注意を。悪質な業者も少なくありません”
まさにそれじゃん。やはりかなりやばかったのか、室内に入れなくて良かったぁ。ただまあ、彼が正当な業者だった可能性がゼロというわけではないけども。かなり疑わしいとはいえ、やみくもに人を疑っちゃいかんよね、右京さんじゃないんだから(笑)
さて、話はまだ少しだけ続く。
それから数時間後のことであった。
玄関チャイムの音がした。インタフォンで外をうかがうと肌荒れ作業服男が立っていた、ファイルを携えて。
おわり。