本日のよろこびごと。(830)

鉄のフライパン


道具から やる気生まれて 腕育つ(喜) 
料理好きの友達からいくどとなく、
「鉄のフライパンはいいよー。手入れだって慣れればそんなにめんどくさくないし」
と焚き付けられていたものの、
「慣れなきゃめんどくさそうだし、ちょっと重すぎるんだもん」
とテフロンに流され続けて10数年、
「やっぱテフロンはいいっ!」
と思う。それでも鉄への憧れはウシロメタサのようなものとともにずっとありました。母はフライパンも中華鍋もずっと鉄だったし、鉄製を使いこなしている人は料理の上級者のイメージがする。もしかしたら鉄製を使えば自分の腕前もランクアップするやも、などの幻想も加わり、ついに入手しちゃったわけです今更(笑)

  • 柳宗理 鉄フライパン 18cm 蓋付

手にして驚いたのが、その意外な軽さ。18cmならではだと思う。普通サイズのじゃあこうはいかない。もともとフライパンは二刀流で大小2つを所持していたので、小さいほうをこのさい鉄製にしてもいいんじゃないかと購入にふみきったのだ。
デザインの良さはさすがSORI YANAGI。取っ手が樹脂なので鉄道具の武骨な味わいはやや損なわれるが、使い勝手は確実にいい。ステンレス製のフタがとりわけ秀逸で、耳のように出ている部分をフライパンの形にそわせるように乗せればほぼ密閉になるし、少しずらせば空気抜きができると。すげー、よく思いついたよなぁ。そういう機能性を備えながら、物体としてのフォルムが見事に美しいので置いているだけでじわじわ嬉しさがわきあがってくる。
「うん、わが家のキッチンのランクは確実に上がったぜっ♪」
テフロンと違ってすぐには使えないめんどくささは確かにあった。説明書によれば焼きこみという作業があらかじめ必要なのだね。大まかにいうと、サビ止め塗装を直火で焼き落とし(15〜25分)、全体に油を塗布してなじませる作業。
黒くてすべすべしたフライパンを直火に掛けると、塗装がおちた部分からすこしづつ色が変わっていく。マグロのような青みを帯びてくる。それが理科実験のようで面白い。面白いだけではなくて、
「ああ、なんか自分のものになっていく実感がわくぅぅ〜」
粗熱が取れたらクレンザーとたわしでごしごし洗い、乾かして、油を塗布し再度軽く火にかけて馴染ませた後、もう一度全体に油を塗布したら完了。こうして全行程1時間弱をかけることで、すっかりアタシの唯一無二の嫁となる。もはや返品不可ですね。
さあて、このお嫁様、ちゃんと使いこなせるかしら。最初の料理は目玉焼きだな。縁がカリカリに焼けた焦げ目が美しいのを作っちゃるぜ〜♪
あ、そうそう。かつて鉄製フライパンと鉄製中華鍋を駆使していた母は、今じゃすっかりテフロン党なんすけどもね(笑)