本日のよろこびごと。(814)


可愛さは 説得力であり 善である(喜)
ドラマ初回の感想〜♪

このドラマ好きだな〜。
就職難で苦戦中、たまたま募集していたからという程度の動機で応募したパイロット候補生に女子大生(堀北真希)が採用されてしまうという荒唐無稽な話。大丈夫かと見始めたのだが、見たらこれがあんがい地に足がついていた。
東大卒理系で留学経験もあるエリート女子大生(相武紗季)という現実味をみせつけるライバルの配置、ANA全面協力による映像の納得感など功を奏していたと思う。選考試験のやり方などに「そんなのあるか?」と思うむきもあろうが、知識のみでこなしきれない特殊なスキルを要求される職業おいてならばなくもないだろう。主人公の造形も「いやいや、ありえるかもしれん。だってこの子にはなにかある」とまんまと思わせることに成功していた。とにかく堀北真希はかわいい。可愛さに説得力があるということをつくづくと知らされた。
いや、もちろんかわいいだけではない。能ある鷹は爪を隠すではないが、この主人公もただのお人形さんではない、それを示唆する能力をさらっとみせていたではないか。居酒屋の注文をメモなしでミスらぬ優秀な記憶力、飛行シミュレーション中に投じられる暗算問題に動じぬパラレル処理能力を。紙飛行機の作り方をライバルに手伝わせてしまう、これはすなわち他者の頭脳を己のクラウドとして使う情報収集力とステルス的統率力、そして人心掌握術にほかならない。
スムーズにこれら非凡な能力を開示し、さらに彼女自身が空への情熱と覚悟を見せたことで視聴者は彼女の後押しを素直にする気になれる。このあたりの流れ、初回として実にうまくできてたよなぁ。すっかり乗せられたもん。
根っからの悪人が一人もでてこないのもよかった。手袋を口で外して空気を氷点下にするような怪奇な女はそんなにいるもんじゃない*1。本編のライバルも口調は怖いが悪意があるわけではなく、必死で真面目なので、暢気すぎる主人公にイラッとしてしまうだけなのだ。同僚の男4人衆(間宮祥太朗小柳友藤井流星、庄野崎謙)も初回からいい仲間になりそうな雰囲気をかもしだしていたし、あまりなじみのない俳優を揃えたのも新鮮で、そのくせキャラ立ちがしっかりして見分けやすいのもいい。スカして感じの悪い教官(斉藤工)も「めんどくせー」と新人候補生らの前でボヤくのに明確な敵意があるわけじゃなく、意外とよく笑い、そして笑うとかなり可愛い。
極めつけはネジ工場の社長だ。懐の深い善き大人で、主人公が壁にぶち当たったときは相談相手になって導いてくれるに違いない*2
周囲の善意に育まれ超かわいい堀北真希パイロットに成長していく明るく楽しい成功物語。そこに試練はあっても不幸はない、幸福しかなかろうと思うのだ。
そんなドラマとどこを切ってもかわいい堀北真希をどうして好きにならずにいられよう。

*1:『スチュワーデス物物語』の片平なぎさ

*2:え、初回だけのゲストなの?…もったいない