本日のよろこびごと。(810)


リベラルな ファンの心を もてあそぶ君(喜)
ドラマ初回の感想〜♪*1

  • 『リーガルハイ』

(ネタバレありますのでご注意を)
待望のセカンドシーズン。さすが古沢脚本だなと見終えてほっと一安心、バカバカしさ全開でよかったねー。ともすれば「半沢」の呪縛を解き放たんとやや気張りすぎてる気もしたが、ファーストシーズンでも犬神家パロとかおバカに終始する回などもあり、やっぱ『リーガルハイ』ってこーいうもんだったかも…。まあそのあたりは前作の再放送で見る側も視聴勘を取り戻さないと。
さて初回、1時間24分とは思えないほど盛りだくさんでした。パロディ、サプライズ満載で、それにしてもまさかですよ、まさか不敗の悪徳弁護士(堺雅人)にいきなり黒星をつけちゃうとは。理不尽に負けないとこが売りなのにずいぶんと思い切ったことを。
さらに三木事務所が戦線離脱? マジっすか? 実はこちらのほうがショックはデカい。生瀬勝久小池栄子のエロコント、イデ君(←彼だけ役名(笑))との四コマ漫画的ベタが無くなるなんて、悲しすぎるよ。ホントに豪華客船で旅にでてしまったの? 出港直前に「やはりアイツを倒すのは俺だー!」と下船しようとタラップを駆けての水落をかますフリだったりして、裏で密かに暗躍し、ここぞという場面で「ふははは、古美門ーっ、土下座しろ!」と高笑いで再登場するものの、考え事をしていた古美門に思いっきりスルーされる、いつも痛快すぎる負けっぷりをみせる、そんな三木に居てほしいのだ。せめて最終回までには帰ってきて下さいませ(切実)。
三木事務所に替わり新たにライバルとして登場したのが羽生弁護士(岡田将生)率いる新設の法律事務所。1話での羽生の立ち位置変化はめまぐるしい。冒頭では古美門事務所仲間なのかと思わせておいて、次には検事として対峙、終いにはライバル弁護士として事務所を立ち上げる。ただねぇ、そこまでされても彼が古美門のライバルたりえるのかという不安はぬぐえなかった。キャラが弱い、爽やかでカッコいいけど面白くはない、百戦錬磨の手段を選ばぬクズ弁護士の相手にこんなひよっこが?と思う。三木→羽生のチェンジは、コアなファンのみから礼賛されるだけでよかったお気楽な『リーガル・ハイ』が、タイトルから『・』をとっただけではなく大衆向けに日和ったのではないかとそんな気さえしてしまう。
もう一つの大きな変化、それは連ドラ要素の追加。
1話でほぼ完結していた前作に比べ、今回は死刑囚安藤貴和(小雪)の控訴審で初黒星を喫した古美門が黒星を無効化するために貴和を無罪にしていく過程が全話通しの軸となって続くらしい。見るからに悪女な貴和が真に悪女なのかあるいはそうではないのか、被告への最終質問で古美門の指示を無視したのはなぜなのか、など事件そのものも興味を引くつくりになっていた。でもなぁ、うーん…正直言うとあまり好みの女優さんではないので毎回だとちょっと萎えるかも、というのが本音。ファンの人、ごめんなさい。
などなど不安はあれど、思い返せば初回には好きな場面もいっぱいあった。
蘭丸(田口淳之介)の頼りになるイリーガルな活躍ぶり、歩きながら跳ね踊る子供じみた古美門、消沈した古美門の前髪を直すスーパー執事服部(里見浩太朗)、裏切らなかった黛(新垣結衣)、羽生の指鳴らしも好きだ。そして植物化する古美門も…って、えっ、「人間やめます」ってそーいうことなのっ!? あそこはしんみりしたシーンなのにやられたー。笑っちったよ。温室でうずくまり植物に同化したライバルに対する三木の叱咤激励は特によかった。やっぱ三木はいいなぁ。
まあ、脚本家古沢なら変化を疎うリベラルなファン感情に忖度しつつ(でもあまり配慮はせず)、ついてこれない奴は容赦なくふるい落とすつもりだが、ついてきた奴の不安を払拭し古沢ワールドで楽しませてくれるはず、だよね。だから信じてついくっきゃないじゃん(笑)

*1:余談・『リーガルハイ』開始直前にKAT-TUN田中聖君の事務所契約解除のニュースが飛び込んできました。アイドルとしての姿はあまり知らないけれど、彼、好きなんだよね役者として。『特急田中3号』で「この子の演技まっすぐでいい!」と注目するようになり、『大奥』では堺雅人とも共演し、堺さんに演技負けせぬよい芝居をしていたのがとても印象的で記憶に新しい。今後は個性派俳優としてまずは映画の端役あたりから名をあげて実力で伸びて行ってくれればなと思います。アタシみたいに、コアファンでなくても応援してる人は結構いるよ。がんばれ特急田中君!