本日のよろこびごと。(809)


「祟りです」 この呪文により 古美門封じ?(喜)   
ドラマ初回の感想〜♪

  • 『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』

占術や呪術ではなく洞察力と話術で相談者の悩みを調伏する陰陽師、女たらし力がセクシィー部長並みなのは元ホストゆえ、実は呪力も…?という胡散臭い人物が主役だ。キャラクター造詣は凝っている。だが残念ながら演じる錦戸亮君がこなせているとは言い難かった。等身大の若者なら巧い彼も、神秘性やカリスマ性のある役には向かないのだね。長ゼリフが多いのに滑舌が悪いのも観てて少しつらかった。
物語の着想や脚本はさほど悪くないと思う。
「パート先にイヤなやつがいるのも?」
「祟りです」
「会社でうまくいかないのも?」
「祟りです」
「なんだ祟りだったんだ〜!」
と相談者の悩みを“祟り”の畳み掛けでいなし、
「すべて祟りのせいです!」
と決めつける。詭弁で問題を封印してしまう曖昧万歳なご都合主義に、おっ、やっと面白くなってきたかな。しかしいいのかなぁこんな安易な締め方で? すると陰陽師はうそぶいた。
「“祟り”だなんて誰も信じてませんよ(相談者も)。でもそれでいいんです」
視聴者に対して絶妙のフォローが入り、なるほどそれならと納得させられてしまった。
問題を解決する方法はいろいろとある。傷口をえぐり患部を剥きだしにして痛みとともに膿をえぐりだす方法もあれば、それとは真逆の、全部を“祟り”におっかぶせて穏便にすませれば誰も深く傷つくことなく結果オーライというやり方だってあるんだよと教えてくれる。へー、いい話じゃん。
って、ちょっと待て。もしやこれは古美門へのアンチテーゼか?
おっと、いかん。どのドラマを見ても古美門につなげてしまう。『リーガル・ハイ』が楽しみ過ぎる祟りのせいだ。話を本作に戻そう。
そう、着想はいいのだ。その良さを生かして物語を痛快に帰着させるための、テンポ、演技力、演出力などが足りてないので惜しいことになっているのだ。冒頭から中盤までは面白くないが、最後まで見続けてたら少し面白くなってきたかなというドラマを来週も見るかは微妙。錦戸君好きなんだけどな…きっとこれも祟りのせいね。