本日のよろこびごと。(807)


クモ一匹 木の実ひとつで 大山鳴動(喜)
今日はやや堅めの話を書きます。

  • なんでこんなことがニュースになるの?

以下の2つのニュースはどちらも子供の健康を害する(可能性があった)という面を考えれば重要かもしれないが、自分はこれらを読んだとき、
「こんなことがニュースになるの?」
とものすごく違和感を持った。というか驚いたものです。

「毒性の実、口にし入院 キョウチクトウ男児
沖縄市の県総合運動公園で9月23日、木全体に毒性があるミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)の実を口に入れた1歳男児が救急搬送され、入院する事故があった。男児は退院したが、県は人命に関わりかねない事態を深刻に受け止め30日、県管理公園でのミフクラギの植生調査や、注意喚起看板の増設、不要な木の伐採を検討している。

子供がなんでも口に入れてしまうのは致し方ない。未成熟な生物として普通にあることで、保護者が目を光らせるのが大前提。さらに危険物をできるだけ排除しておくことも大事なことだ。今回被害者(というか不注意者だと思うが)が出たのはかわいそうだし、大事にならなかったことに安堵した。そう、夾竹桃推理小説でも毒物として多用される植物で、そんなものが身近にあるなんて怖いよねと感じることもある。ただ、だからといって夾竹桃を伐採する(しないかもしれないけど)というのは過剰反応なんじゃなかろうか。毒性のある植物はなにも夾竹桃に限らない。犬や鳥のうんちだってそこらじゅうに落ちている。全部排除するのか。子供の生活圏からすべてを取り除けば、その子供は危険物を知ることも、見分けることもできなくなる。守ろうとした結果、逆に子供から自衛力を奪うことになりかねない。子供が間違って何かを食べてしまった。じゃあ注意しなくちゃね、「これは食べちゃダメ!」で終りだという考え方は古いのだろうか。ちょっと熱くなりすぎちゃったかな。実は夾竹桃は思い入れがある植物なので、悪者にされたらだいぶ悲しいのです。

可児市給食、また混入 麦飯にクモ1匹、216人分を廃棄」
可児市は1日、小学校の給食で麦飯にクモ1匹が混入していた、と発表した。
給食センターは、クモが入っていた麦飯と同じ釜で炊いた可能性のある1〜3年生の計7クラス(216人)分を廃棄し、他のクラスで余っている麦飯をこの7クラスで食べた。
(納入業者の)男性社長(45)は取材に「早急に原因を調べ、対策を取る。大変申し訳なかった」と謝罪した。

クモの種類によっては毒性がある可能性もある。だから食べないという選択は正しかったのだろう。だがしかし、どんなに衛生管理をしたところで蟻一匹入る隙のない状態*1なんて無理でしょう。ましてや可児市というのは自然豊かな場所だそうだ。これが一昔前なら、虫のついてた部分だけ取り除いて平気で食べてたんじゃないかな。なぜなら食べ物は貴重なものだから大事にしなくてはいけなかったから。昔のやり方が正しいというつもりはないけれど、やはりこれもやや過剰反応、騒ぎすぎだという気がして仕方ならんのよ。食物への敬意を教えることを大人が忘れないでいてくれたらよいのだけれど。

*1:「蟻の入る隙」は誤用で、正しくは「蟻の這い出る隙」