本日のよろこびごと。(778)


キュンキュンし 歌舞伎学べる お得感(喜)
ドラマ初回の感想〜♪

よし、ちゃんと面白かったぞ。
家格の重圧と己の存在意義に悩む御曹司、ライバルとの衝突、親との確執、そこへ鮮烈に登場する健気なヒロインからの先制背負い投げ、「こんなことされたのはじめて。俺、こいつのこと好きかも…そばにいてくれ」、なのに彼女はライバル君の幼馴染で初恋の相手…だけど「お前の笑顔を守りたい」。おおっ、これぞまさに王道少女マンガ! 愛と歌舞伎の青春ドラマだ!! いいわぁ、こーいうの好きだわぁ。玉森君も海荷ちゃんも初々しくて可愛らしく、三角関係でキュンキュン。まあ、『花より男子』の既視感がありすぎる気がせんでもないが、王道ってのは得てしてこーいうもんっす。気楽に見られていいんじゃないの。
でも視聴率は『花男』ほどは振るわなかったとか。なしてや。裏ドラマかぶり、原作の知名度、初回2時間は冗長、子供向け感など多々あろうが、キャスティングにも一因があるかな。岸谷五朗江波杏子榎木孝明高嶋政宏山本耕史と芸達者を揃えて悪くはないんだけれども、主役がジャニーズ、ライバルもジャニーズ、さらに脇役にもジャニーズがわらわら。これはいかん。1ドラマに2ジャニぐらいまでだよね。
歌舞伎界が舞台というのは目新しくていいと思う。梨園というのはやはり世間と隔絶されたしきたりや価値観で運営されている閉ざされた世界だ。内部を覗き見る好奇心が視聴者の間口を広げると期待されていたことだろう。ドラマは、初心者にも理解できるように随所で解説を交え、入門書的な役割も担っていてとても好感を持てるつくりになっていた。ドラマを視聴して「歌舞伎座へ行ってみたい」と考えはじめる人は多そう。
ありきたりの三角関係に絡めて、梨園の血縁重視の世襲制度にも一矢を射込んできたのも評価できる。今後どこまでその問題を掘り下げるのか、それともラブストーリーのエッセンスにすぎない扱いで終わるのか。ま、あまり触れても無粋だし、ほどほどに。
歌舞伎を取り入れたことによる功は他にもある。伝統芸能の胸を借りれることは大きい。物語に一つ大きな芯ができる、世界観も広がる。
功があれば罪もある。いわゆるうるさ型のファンが多い芸事なので、どれほど誠実に制作したとて、辛口の批評家が目を光らせてくることは避けられまい。中には、芸事をそのまま表現するシーンに関しては辛辣で許しがたく感じて、隅をつついてアラを探し攻撃してくる輩もいるだろう。しかしだ。猿之助中村隼人がゲスト出演していたということは、批評家の大好きな歌舞伎界がこのドラマをバックアップしている証じゃなかろうか。ならばそこは寛容に見守ってあげればいいのでは。