本日のよろこびごと。(765)


オバサンは 哀しみによって つくられる(喜)
食べ物の恨みは怖いんです、っていう話。ひさびさの更新がこんなせこい話でいいのか? いいんです。

  • チキンカツ事件

「明日はわらじのようにでかいチキンカツを駅前まで買い出しに行く!」
と布団の中で決めて健やかな眠りにつき、殺人鬼(女)のロン毛頭を両手でつかんで、
「やめろー、もうやめるんだー!」
と必死で制止する夢を見た翌日、予定通りチキンカツを買いに駅前へ出掛けました。
チキンカツってやつはでかい、でかいくせに安いよね。で、うまい。アタシはガキの頃、とんかつよりチキンカツのが好きだったけど、今はどっちも好き。今日はチキンカツ。うまいよなぁ〜♪
なんて浮かれてお店へ到着し無事にチキンカツをゲットして美味しくいただきました。
※※※
以上、あらすじだけきくとなんてことないよね。
だけれどもそうじゃないんだ、この裏には握りつぶされた悲哀があったんだ。聞いとくれ。
目指したお店は、ガラスケース内にてんこ盛りされているのをお店の人が適当にピックアップする、デパ地下方式なのだが、カツの大きさの個体差がはげしく、ええい、はっきり言うわ、ケースの客から見える位置には大きいのを盛り、店員のいる側には小さいのをっていう、おのれ姑息な…ああっ、アタシのソレなの? ち、ちいさい…。
「すみません、大きめなのにしてください!」
などと指示できるほどの修業を積んでいないアタシは目を丸くするアピールが精いっぱい。そんな幽かなアピールが店員に届くことはなく、アタシは小さいカツを「あ、どうも」と受けとってしょんぼり帰路へ。
往路では、
「大きすぎて絶対昼だけじゃたべきれないなー。パンにはさんで夜食べようかなぁ〜困っちゃうなぁ。でも仕方ないぁ〜うふっ♪」
と陽気に困ってたのに、まったく困るどころか、足りねぇ(涙)
あるよね、こーいうこと。
かなしいね。
こーいうとき言えますか?
こんな思いをするのなら、次回は絶対言うぞ!と心に誓いました。「オバサンっていやしいわぁ」と店員に思われるかもしれないけど、ふんっ、気にしないもんっ。きっと、こういう哀しみや切なさや憤りの積み重ねが人をオバサンにしていくんだわ。オバサンはかなしみでできているのです。
さて、一日経って。
あの店員(茶髪20代女性)は、小さなカツをとった瞬間の客の目にうかぶ悲哀とその後のリアクションを愛好する人間観察の達人なのではと勘繰りはじめております。