本日のよろこびごと。(696)


冷たさの 裏に隠れた 暖かさ(喜) 
火曜日に始まったドラマの感想〜♪ といっても『サキ』は前作*1を見てないのでパスして、NHKの2本。

  • 『いつか陽のあたる場所で』

原作は乃南アサさん。
ドラマ、よかったねー。谷中の雰囲気がいいし、犯罪者を捕まえる話はいっぱいあるけど服役後の話ってあまりないから新鮮でした。あ、フジテレビで少し前に異様に暗いやつはあったか、満島ひかり瑛太のやつ『それでも、生きていく』。あれはあらゆる意味で普通じゃなかった。東野圭吾原作の『手紙』って映画も、悲惨で泣かせすぎだったしー。
こちらはわりと普通の、お嬢さんと主婦がそれぞれに犯罪を犯し、収監先で知り合い、出所後に二人が助け合ってどう再生していくかというお話だから、もう少し明るくて救いがありそう。もちろん犯罪者だったわけだからそれぞれに問題を抱えているという、そういう重石は存在した上で。
ハコ(上戸彩)の弟(大東駿介)は、出所後の姉の元を訪れ挨拶もそこそこに、相続放棄と分籍の書類をつきつける。冷たいなぁ、酷いなぁって気がしたけども、それだけじゃないのよね。ふいに身内が犯罪者になるということ。世間からのバッシング、姉に裏切られた失意、でも自分や家族の生活も守らなくてはいけない。両親がどれだけ苦労したかも間近で見ていた。苦労の末に父が脳梗塞で他界した。いろいろあった。でも家族も会社も守り切った、だからこその決別。
でも切り捨てたわけではない。
彼なりに姉のことを気にかけていた。互いを思いやって、今は距離を置いてけじめをつけるのだとか、ごめんね、がんばってとか、とにかくそういう複雑な感情が姉の私物に同梱されていた手紙で少しだけ明かされたことで救われた。ハコの
「自分が家族に捨てられたと思ってた。そうじゃなかった、自分が捨てたんだ…」
という涙で、ようやく彼女が再生への一歩を踏み出したことがわかる。
演出が抑え気味なのがいい。行間を、ナレーションや何かで説明しすぎるな!といつも思うから。
上戸彩は結婚して良かったね。事務所の押しやアイドル売りがなくなったおかげで地味な良作にひっそりと主演できるようになったもの。
アヤ役の飯島直子もいい。がさつなようで深い思いやりのある人物を自然に演じていた。ま、いつもの飯島直子って感じだけども。苦労した人ほど自分の苦労を直接表に出さないアヤさんの思いやりにハコはちゃんと気づけたし。
うん、このドラマは見続けよう。
犯罪抑止には、自分が犯罪者になると家族がどれだけ苦しむかを伝えるのがもしかしたら一番効果あるんじゃないかなと思った。逆にいうと、家族というものがない人間は抑止力が低くなるんだろうなとも。

いやぁ、面白いよ。面白いんだけどさー、主人公に好感をもてないんだわ。
嫌われ松子』の自業自得バージョンみたい。話の展開が速いのと、演者が悪くないので見てりゃそれなりに楽しいんだけども、なんだか悪意あるB級ワイドショーを煎餅かじりながら高みの見物をしているような罪悪感というか悪食感を覚えてしまう。ポテトチップスを食べすぎて胸焼けするような。戸田恵梨香は好きだけど、見続けるかはびみょ〜。

*1:美しい隣人』の続編なんだそうです