本日のよろこびごと。(652)


北斗晶 バラエティの顔も もしや芝居で?(喜)
連ドラ初回の感想〜♪

  • 『遅咲きのヒマワリ』

生田斗真は安定してるよね。さすが映画の主演を重ねてきただけある。安定しすぎて面白みがなくなってきた寂しさはあるけれど。
ドラマは四国の四万十川を舞台にした若者群像劇。役者もよかったけれど、脚本家がいいんだと思う、橋部敦子さん。田舎特有のしがらみを見せるにしても視聴者がイヤな気分になる前にすっと引く加減がうまい。主人公・丈太郎が心情を激白するありがちな流れも、ふっと懐に入り込んでくる無理のなさ。ドラマでありがちな作為がなくて(と感じさせるのが)、うまいんよなー。
「丈太郎(生田君)はいい子だな。その役をやってる生田君もすごくいい子なんだろな」
って気分よくだましてくれる感じ。いや、別に生田君のいい子さを疑ってるわけじゃなくてね。彼はいい子。
「こいつは信じられる奴だな」「えっ、彼女があんなにアタリがきつかったのにはこんな裏が!?」「うーん、この子にはまだなにか裏がありそう」
など。多めの登場人物をきちんとしきって各々の個性を説明するふうでなくわからせてくれるし、筋立ての起承転結が1話の中でしっかりとある。
ヘビーな展開を持ち込むにしてもさらっとぶっこみ、四万十川の悠久の流れで洗い清める。常に、すんなり入り込みサッと退く感覚。視聴者の空気をすごく読んでいる脚本家だね。
オープニングの演出はくさいけれども、ドラマを見続けているとものすごく愛しく思えてくるんだろーな。
アタシは好きだ、このドラマ。
問題は、四国に行けば美男美女の若者がわらわらしてると勘違いされそうなこと。

ひさびさに職業ものじゃない沢口靖子主演もの。
役者専業以外からの抜擢がうまいNHKがまたうまいことやってたな、北斗晶で。演技しすぎない、素のままの彼女がドラマでいい緩衝剤になっていた。下手なわけではない。ちゃんと芝居はできている。
「詮索するつもりはないんだけどもさぁ」
と言いつつも便所掃除をしながら、
「で、ダンナは?」「離婚してないんだ、へー。なんで?」
などと質問攻めにして、
「あ、ごめんごめん」
と悪びれて大笑い。悪気のないオバサンの演技をあえてしすぎない演技でこなしていた。ヘンな力みのない芝居はみていて疲れない。なんでもできる役者ではないけど「いつでも北斗晶」的バイプレーヤーには今後なる可能性あり。
さてもう一つ注目すべきNHKの得意技が発揮されていたが、それはなんだと思う?
答えはDV夫の描写。
この時間のドラマには不思議とDV夫の登場率が高い気がする。ユースケサンタマリア×木村多江のマヨネーズプレイがあまりにも印象深かったせいかしらん(『カレ、夫、男友達』)。
今回は沢口靖子がインテリダンナの暴力から息子を連れて逃亡中、DV夫に田中哲司。こいつが超こえーのよ。妻が、夫の幻影に怯えて勤務先で過呼吸発作を起こすのもやむなし。
真裏の『ゴーイングマイホーム』とは対極のエスケープマイホームなお話。

原作漫画は未読。脚本をオークラというバナナマンとつるんでる構成作家が手がけるというので視聴してみたら、
「ちっ、くそつまんなかったわ。なにやってんだ、オークラっ!」(怒)
でもオークラばかりを責められん。普通にドラマにしたら10分程度の枠を埋めるのが精いっぱいの中身を、希釈して化粧して盛って30分枠をなんとか埋めてみました。こーなっちゃいましたー。っていう悪い見本。