本日のよろこびごと。(640)


キワモノか? いいや意外と 見ごたえあり(喜)
テレビでやってた映画の感想〜♪

  • 『大奥』

-2010年日本、監督:金子文紀、原作:よしながふみ、出演:二宮和也柴咲コウ堀北真希大倉忠義中村蒼玉木宏阿部サダヲ和久井映見、佐々木倉之助ほか
男女逆転のBL原作というので、ものすごいキワモノを覚悟して見始めたら、意外とちゃんとしてたね。面白かった。話の筋が通り、演者の力量にムラがなく、丁寧に作れば、こんな荒唐無稽な設定でも地に足の着いた時代劇に仕上がるのだなと感心させられる出来でした。
もちろん男女逆転に、終始奇妙な違和感が付き纏い続けていたのは事実。女性が弱者として翻弄されてき立ち位置を男性に劇中で疑似体験させることで、ことの理不尽さが際立つという効果的があったように思う。
演じてる人たちはどんな気持ちだったのかねぇ。たぶん当初感じた抵抗が、だんだんと快感に転じてきたんじゃなかろうか。
アイドル二宮君による「子種」の連呼、キラキラした目で「思い出をください」と二宮君にねだる中村蒼、男に捨てられて荒れる関ジャニ大倉君、玉木宏佐々木蔵之介のただならぬ関係*1、もろもろ上げればきりがない、通常のドラマではなかなかお目にかかれぬ貴重なシーンの連続に、ほおっ、ほおっ。そこまでやるかと。愛憎渦巻く大奥の表現が続く中、ほっこりと座をなごませる阿部サダヲの存在感たるやまた(笑)。
役者連中の頑張りに拍手。巧い人ばかり揃えたキャスティングも素晴らしい。
数少ない女優陣も選りすぐり。中でも、将軍吉宗を演じた柴咲コウがなんとも男前で、女も惚れるぜ。さほど声を張らずとも威厳があるのは、容貌と目力のたまもの、存在感と雰囲気のある良い女優さんだよね。最近彼女を見かけることが少ない気がするが。もったいない。
吉宗の側近に和久井映見。彼女の落ち着きと懐の深さもいい挿し味。水野(二宮)の両親の竹脇無我倍賞美津子、幼馴染の堀北真希らのもたらす清涼感もいい。
鑑賞後にイヤな気分にならない点でも娯楽作品として成功している。
本作をキワモノと避けていたら損をするかも。意外にも一見の価値あり。10月から始まる連ドラも、映画版最新作も見たくなりました。

*1:劇場版にはテレビ版でカットされた濡れ場(?)もあったとか!?