本日のよろこびごと。(594)

テルマエロマエ


阿部寛 ローマ人より 顔が濃い(喜)
映画見てきたよん♪

うん、なかなか楽しめました。
前半は現代日本の風呂へタイムスリップしてしまったローマ人(阿部寛)の、平たい顔族(日本人)との邂逅と風呂カルチャーショックぶりを、丁寧かつテンポよくノリノリに描写。かなり原作を忠実に再現してたんじゃなかろうか(1巻をさらっと読んだことしかないが)。とにかく阿部ちゃんという役者が居てよかったなぁと、しみじみその存在に感謝です。特に、「アーーーッ」のシーンなど、ふふっ。クスクス、ほのぼの。
後半は舞台をローマに移し、ハドリアヌス帝の後継者をめぐる争いに巻き込まれたローマ人阿部寛と平たい顔族の面々が、タイムスリップによる歴史の歪みを、風呂カルチャーによってかなり強引に解決へ導くという時空を超えた壮大な展開に…ふむふむ。ほおっ。
前半と後半で完全に2部構成と言っていいが、それがうまく機能していて飽きさせない。コメディとシリアス、安作りな現代と重厚なローマの対比。両方がきちんと融合していたところが巧い。
ローマ時代の再現に力が入っていることにも驚かされた。主要キャスト(阿部寛北村一輝、宍戸開、市村正親、勝矢)以外のローマパーツの出演者はエキストラ含め全員外国人(日本語吹き替え)で、群衆シーンや戦闘シーンも迫力がある。古代ローマのセットも本格的で安っぽくないのだ。
ローマまで撮影に行ったのか、既存のハリウッドセットを拝借したのか?
いずれにせよ、古代ローマを邦画でという「やめとけよ!」と誰もが悲鳴を上げる命題というか無茶に果敢に挑み、懸念された安っぽさを極力排除して作品に仕上げたことに作り手の本気を感じた。馬鹿らしいことは、至極真面目にやるから面白いのだという基本を抑えている。
ただし、見終えて「映画を1本観たっ!」という充足をあまり感じなかった。映画館を後にし観てきたばかりの世界観にのぼせて現実に戻りかねるようなボーっとした、あの感覚がない。スイッチを切ったらすぐに切り替えられる、テレビのような軽やかさがまた良さなのかもしれない。