本日のよろこびごと。(579)


ネタドラマ 突っ込みにかまけ 話に乗れず(喜) 
ドラマ初回の感想〜♪

  • 『Wの悲劇』

超ベタなひと昔前の大映ドラマみたいだったなー。主演の武井咲一人二役をとてもわかりやすく演じ分けて健闘していたと思う。でもさ、それ以前の問題。これっていまさらドラマ化するほど面白いの?
『Wの悲劇』といえば薬師丸ひろこの映画。
「私、おじい様を殺してしまった」「顔ぶたないで女優なんだから」ぐらいしか記憶にない。確か映画では監督かPが夏樹静子原作だけでは映画に膨らませられないと判断し原作を劇中劇に改編したんじゃなかったっけ?
大富豪の令嬢、ショーパブで雑用をする天涯孤独の貧乏娘、まったく境遇の異なる二人の顔が瓜二つだった(武井咲一人二役)ことからはじまる悲劇。令嬢はある目的を持ってパブ娘に近づき、殺人容疑を晴らすためのアリバイを用意してやる。祖父の異常執着を嫌悪し別人としての人生を送りたいと熱望する令嬢、貧乏生活からの脱出を夢見ていたパブ娘。ここに二人の利害は一致、試しに入れ替わってみると周囲はまったく気づかず…。
いやいや、あれだけ話し方や態度が違えば気づくよね!? なんか変だと思うよねっ?
そこは百歩譲っても、殺人容疑のかかったパブ娘に令嬢が用意したアリバイがゆるゆる。犯行時刻遠方で撮影された雑誌グラビアに群衆の一人として偶々写りこんでいた令嬢をパブ娘に「私です」と主張させ、警察は「なんだアリバイあったのかー」。いやいや、足取りや裏をしっかりとればすぐに綻びるだろー? 
「じゃあなぜ最初からアリバイがあると言わなかったんだ?」
唯一疑ってかかる刑事(桐谷健太)も決して職務熱心ゆえでなく、私情丸出しのほぼストーカー状態なだけ。キス一つでそこまでパブ娘に執着するって、お前童○かっ? パブでは便器に顔を突っ込まれるほどのイジメ、祖父(寺田農)は机の下で孫娘の足にすりすり、あっちもこっちも癖がありすぎて、「なんだよそれー」「パターンが古くせぇー」「ジジイ、キモっ」などとツッコミに忙しく感情移入している暇がない。
初回ラストの崖上での対峙シーンも不自然の極み。えっ、おめーらそんなに距離が離れてたの、どんだけ大声で話してたんだよ? いたるところ演出がヘンというか、20年前なら許されたかもしれんが…。
御令嬢がセクハラジジイから本気で逃げたいならば金持って家出をすりゃいいだけのこと、パブ娘は令嬢を崖から突き落して2000億の遺産を乗っ取りゃあいいだけのこと。武井咲の可愛らしさと、大映ドラマっぽさを懐かしむだけが見どころ。