本日のよろこびごと。(573)


リーガルだし 古沢脚本だし 堺さんだし(喜)
ドラマ初回の感想〜♪
これね、今期一番楽しみしていたんだけども…

超やばい、相当好きなタイプのドラマだわ。
脚本と役者がすべてカチリとはまって、面白いっ! 起承転結の妙、どんでん返しの冴え、さらにはちょっとした毒気まで全部が全部がツボ。疾走感もバツグンだ。期待値を高く設定していたその上を超えてきやがった。
脚本家の古沢良太氏は『ATARU』の櫻井氏と並ぶ『相棒』脚本家チームの一人。さらにアタシがかつてハマった映画『キサラギ』もこのお方、ツボらないわけがないよね。
さて本作は金の亡者で他人を見下しまくったクズ弁護士・古美門(堺雅人)が主人公。堺氏は例のニヤニヤした独特の表情で嫌味ったらしいキャラクターを楽しげにイキイキと造形し、憎めないクズへと見事に仕上げてきた。さらに役柄的に、口角泡を飛ばすほどの勢いでかなり早口でまくしたてるのだが、泡が飛ぶこともなく、セリフがどこをとっても聞き取りやすい。なるほどこれこそがプロの芝居なのだなぁ…。
古美門弁護士は、まあー、クズだ我儘だ金欲主義だ。暴力的な聴取で自白強要されたと思しき被疑者(中村蒼)を救うため、彼の頭脳と手腕を頼って訪れた新米弁護士(新垣結衣)に、
『ふんっ、バカバカしい。正義だとかどうでもいい。弁護士をしているのは金のためだ、勝訴したければ3000万円もってこい!』
と依頼をはねつける。確かに優秀で法廷では負け知らず、とはいえその手法は違法ギリギリ(いや違法なのか?)だという。嫌味で人を追い詰めるのがおそらくは彼にとって極上のご馳走なのだろう、舌なめずりしてターゲットを追い込んでいく姿はまるで邪神のごとく、邪神の力量は法廷での演説ぶりへと集約されて、その傍若無人、八面六臂の活躍っぷりが最大の見せ場ともなっている。
ただこの男のゲスさは痛快だ。そう、あの『家政婦のミタ』のクズ一家のクズ父によるクズ・スパイラルのように。さらに恐ろしいことにミタさん的な不敗感をも兼ね備えていて、こいつに任せておけば大丈夫な気にさせてくれる、超クズだけど(笑)
新米弁護士が一方的にやられてばかりでないところもイイし、古美門弁護士と敵対する生瀬勝久小池栄子もまた違うタイプのヒールをコミカルに熱演している。古美門家の執事らしき存在に里見浩太朗を配したところにも、なにかもう一つ含みがありそうで、見逃せない感じが高まる。
かくほどにキャラは立ち、大ヒットドラマ『家政婦のミタ』の二大ヒット理由を兼ね備えたこのドラマは、絶対に面白くなるはずだ。見終えた後の爽快感と、早く来週が見たいと思うこの渇望感に繋がっていくはずなのだ。現に自分は魅了されたぞ。しかし、視聴率はイマイチらしい。おかしい、なぜだー、なぜなんだー?
ちっ、しょせんアタシの好みはマイノリティってことかいっ。そいや『キサラギ』も地上波で放映されたときの視聴率は悲惨な…うっ、ううっ。