本日のよろこびごと。(547)

ロシアケーキの赤いリボン


京都だね 簡素なふりで 2重の守り(喜)
succulentさんから京都土産を頂きましたのでその感想を♪

  • 村上開新堂 ロシアケーキ

2008年5月のsucculentさんあてのメールに、
ダイエーの贈答菓子売り場で見かけた亀屋萬年堂のロシアケーキを「あら、懐かしい」と衝動買いしたけれど、そういえば京都にも老舗ロシアケーキ店(いや、ちょっと違うか?)、その名を村上開新堂というのがあるらしい』
なる旨をしたためたのが事のはじまり。そのお返事が、
succlent『そこのクッキーが絶品って話をしたことなかった? 東京の開新堂ではロシアンケーキはないのでそれはやはり京都限定か。つぎに京都行ったときはぜったいいく!』
このやり取りが4年の時を経てついに結実、いやぁ長かった。でも待ったかいはありました。
宅配の段ボールから取り出した贈答品には、まず梱包をほどくところから感動があった。包装紙(グレーで素敵!)の外側十字に掛けられた小豆色の紐を解き紙をのけると、さらにその奥から白い箱の上に赤く色鮮やかな一重のリボン(写真)がパッと目を引いて、
「おおっ!」
誂えの簡素さと、(紐+リボン)2重構造の矛盾がまさに『京都』って感じだね。慎み深く上品なオモタセ感を演出して敷居を高くし、丁寧に作られたものをありがたくいただかねばと気構えさせる。ロシアケーキはいわゆるデカいクッキーみたいなもんでそんなにお上品なものではないのだが…(笑)
味は、そりゃもちろん名の知れた老舗の逸品である、当然ながら当たり前にウマかった。でもただウマいっていうんじゃない。おそらく、ただ甘くてウマいだけの菓子は他にもある。これはそんなに甘くはなくて、いやむしろかなり控えめで子供なら物足りなく思うかもしれない。口どけのよい生地とジャムの酸味をいい感じに口の中で融合させて繊細かつ武骨な味わいを楽しむ、スコーン+ジャムの喜びを知る大人向けのもの。
素朴で嘘偽りのない誠実さを目と舌で感じて、しみじみとありがたくなる。そんでちょっと排他的なの。とにかく超京都だわ(笑)