本日のよろこびごと。(512)


古民家に 貴一も憲二も 付いてこねぇ(喜)
『最高の人生の終り方』について「泣けた良かった面白い、来週も楽しみ」と評価していたドラマ好きマダムAが、『最後から二番目の恋』を見終えた感想で、
A「いやー、おもしろいじゃん? 私たちがターゲットなんだから当然か。テンポがよろしい。来週も是非みたいなと。『最高の人生』と同じ木曜、1日に2つのドラマは見続けられたことがないので、今回はこっちかなと思った。山ピーのほうは暇だったらみるかなって感じになっちゃった(笑)」
と手のひらを返しやがったのでネットで追っかけ視聴した、ドラマの感想♪

いやー、確かにおもしれーじゃん!
中井貴一が可愛いねぇ。先日『平清盛』の感想で普段の中井は「中間管理職臭を全面に出した風采の上がらぬ、善良さと弱さを見せて母性をくすぐる役どころが多かった」と書いた、まさにそういう役どころで安心運転。コメディ芝居をやりすぎることなくナチュラルにこなし、情けなくも可笑しい。ただ電話に出ているというそれだけで笑かしてくれる。そのうえなんだかすごくチャーミングに見えてしまうのである。たとえ情けない役でも人間的な奥行きを浮かび上がらせれば、役者ってのは素敵にもみせてしまえるもんなんだな。
Around40』を彷彿とさせる女性3人の食事シーンは、よりシリアスで濃くした感じ。小泉今日子森口博子ともう一人は…えーと、誰だ?
A「きょんきょんの友達の渡辺真起子は例の園監督の映画の常連女優みたいです。迫力あるんだよねー、この人」
ほうほう。妙な迫力がありながら、それでいてしっくりとドラマのピースになっているところなんざ、なかなかの実力派やも。キャスティングの采配がうまい。彼女も含め、そのセンスは視聴者の一歩上をゆく。中井貴一姉弟飯島直子坂口憲二を起用して、馴れ馴れしさや胡散臭さを親しみやすさや謎めいた魅力に替えるなど効果的に用いることで、違和感を完全に打ち消していたり。
脚本(岡田惠和)もうまい。人間関係や複線を混乱させることなく理解させる手腕、伏線が張られていることをわからせつつもあからさますぎないところなど、完全にわからない伏線はそれまた伏線とはいえずちょうどいいさじ加減。
演出も手練れすぎた。例えば女子会のシーンでは、話している当事者のアップを多用するのではなく、柱の陰や障害物越しに覗き見る臨場感のあるカメラワークを採用。さらに、ナナメの画面で左下の片隅だけに登場人物3人を詰めた映像は、タダもんじゃねーなと思った瞬間。
でもね、役者だ脚本だ演出がどーこーと散々褒めちぎっておきながら、言わせてもらうわ。ちげーんだよ、そんなんじゃねーんだよ。このドラマの良さは、くだくだとパーツに区切ってどうこういうもんじゃないんだ。世界観がきちんとあるところ。すんなりと物語世界にいざなうところ。ドラマという作り物を意識させないところ。それらをまとめて表現するなら、完成度が高いってことです。そりゃまあ、入り込めたのはマダムAの言われたとおり、「私たちがターゲットなんだから当然」なのかもしれない。でもそれだけじゃないと思いたい。
来週からはちゃんとリアルタイムで見なくては。つーか、早く続きがみたいよ。唯一難癖をつけさせてもらえるならば、鎌倉を出してきたのは卑怯です。どこもかしこも絵になりすぎだもの。あーあ、鎌倉の古民家に住みてぇ…でもこんな素敵な隣人に恵まれてブラピ*1みたいな男に迫られるなんてことがあるわきゃねぇーしー!(笑)

*1:注:作中で小泉今日子坂口憲二をブラピみたいと表現していた