本日のよろこびごと。(450)


ありがちが てんこ盛りでも 見せ方次第(喜)
ドラマの感想〜♪
裏かぶりで『ランナウェイ』と取捨してこっちにしました。

  • 『DOCTORS 最強の名医』

やはり医療物は一定の面白さを提供してくれるね。
初回は、堕落した病院へ颯爽と乗り込んできた天才外科医が、風雲児となって改革を巻き起こすであろうことを予感させる、その序章としてまずまずの掴みだったように思う。ま、どっかで見たなーって感じはしたけどねっ。
キャストに地味だが、うまい人を集めている。
誠実かつ不敵な新任外科医サガラに、沢村一樹。爽やかな笑顔で善良な言動をしても、自然と不敵感が漂う。たまに毒を吐くときのニンマリした顔、なにか企んでそうな目が実に楽しげでワクワクを禁じ得ない。そして得体のしれない安心感。
高嶋政伸演じる、院長の威を借る傲慢なやぶ外科医モリヤマ。サガラのわかりやすい敵役である。彼の腐りかげんの差配がいい。ボンボンのふてぶてしさを、体型を変えて表現していて役者高嶋の覚悟も伺える(え、ただの中年太り?)。サガラの執刀技術に対する嫉妬の表情は、わかりやすいおもしろさ。己を凌駕する技術に嫉妬せずにいられない外科医の矜持はまだ残っている、という役どころとみていいのだろうか。
サガラとモリヤマが1:1で対峙するシーンは緊迫感の中に大人の色気がムンムン漂っていて…はあはあ(興奮)。ぜひとも恒例に。
舞台となる病院は、事なかれ院長(野際陽子)の元、パートタイム主義でプライドだけは高い医師らと、どこもこんなもんだと諦めぎみの看護師や職員らで構成されていて、全体的に淀んでいる。ここにだけは絶対にかかりたくないと思わせるに十分な。万一運び込まれたとしても、すぐに転院をおすすめしたくなるような。
もちろん内部には例外もおり、その一人である誠実な内科医ミナガワに伊藤蘭。この配置もいいね。なんかくすぐられません?
夜間に急変した患者の緊急手術を独断で執刀した天才外科医サガラ。結果的に患者の一命を救い、担当医の誤診をもカバーすることになり病院の利益にはなったが、
『私たちの見る目がなかったということです。辞めていただきます』
院長は、とにかく問題を起こしたくないという保身のため異物としてサガラを排除しようとする。しかし策士サガラは善良で無欲なだけの男ではなかった。
『これを見ていただければ考えが変わると思いますが』
と己の執刀を撮影したビデオを机上に残し院長室を出てゆく。
ビデオに収められていた桁違いのテクニックを目撃した院長は一転、
『ま、待って〜、辞めないでくださいーーーっ!』
手のひら返しで追いすがる。
こういう演出は医療物に限らずありがちだが、やはりこーでなくっちゃだ。やんややんや。
そこで、サガラ(年棒700万円)は笑顔で、
『なるほど。では改めて年棒交渉といきましょうか』
この切り返しがいい。完全なる善よりも、毒の要素があるほうが絶対にワクワクするのだから。