本日のよろこびごと。(446)


電波という か細い繋がり 信じすぎ(喜)
先週、実家でプチ事件があったので書いときます。
  ※ ※ ※
週末の実家にて。話好きの母は、のべつまくなし何か話をしている。その全部を真剣に相手していると疲れるのでそのときもいつものように適当に流し聞きしていたら、
「そうそう、タツヤ(←アタシの兄)から電話があったのよ」
「へー」
兄が実家に電話することなどめったにない。年に2度あればいいほう。引っ越した等の大きなイベントがなければ掛けてくることはない。珍しいな、なんだろう?
「なんかねぇ、なかなか名乗らないの。で結局のところ『携帯電話の番号が変わったから知らせとこう』と思ったんだって」
「あー、そう」
「これが新しい番号でね…」
「ふーん…ん、ちょ、ちょっと待って。今の話をもう一度してくれる? 詳細に。『タツヤ』の名前を最初に口にしたのはどっち?」
「えーと、タツヤが『アタシだけどわかりませんか?』ってずっと言ってもちゃもちゃしていたから、ヘンな子ねぇって思って『タツヤ?』って訊いたら『そうそう』って。で」
「ちょっと待ていっ!」
賢明な方はとっくにお気づきでしょう、この電話がひじょーーーーーーっに怪しということに。
「それ、振り込み詐欺の典型的な手口じゃん」
「え、そうなの?」
「そうだよ。まさかと思うけど、今からタツヤんちに電話して確認したほうがいいよ。いや、絶対しないとダメだよ」
「そうかしら? じゃあ」
と教えられたばかりの新しい携帯に掛けようとするボケ母を即座に制し、もとから電話帳に記載してあった兄の自宅固定電話へダイヤルさせる。やれやれ。電話に出たのは兄嫁。
「もしもし、あー、あのね、タツヤがね、携帯電話が変わったっておととい電話をくれたんだけど…え、番号変わってない? 電話もしてない? ホントに? あら〜」
この後すぐ警察へ通報し、経緯と、振り込み詐欺と思しき相手の提示した携帯番号をお知らせして落着という事件なのでした。それにしても、まさか自分の身近でこんなことがあるなんて心の準備してなかったわ。びびったー。
蛇足に、もうひと悶着。
通報後、ふとアタシの中の古畑任三郎が、
「自宅で電話に出たのは兄嫁だった…ひょっとして兄嫁に知らせていない秘密の携帯番号(2台目)という可能性も?」
などと不穏なことを思いつく。まさか…。一度気になってしまったら妄想は止まらない。母に、兄の本当の携帯番号へ電話し再確認させる。一応刑事事件だから念には念を入れないと、という名目で。
兄は電話口で超ウザそうに、
「だから携帯の番号は変わってないって!」
と否定しておったようです。ふうん、ホントに変えてないんだよね。だよね。だよね。
兄がたいそうウザがっていたのは、挙動不審なせいでなく母が、
「アンタの携帯の番号だけどもね、xxx−xxx−xxxxでいいの?」
「だから、今、かけてる番号だろー!」
「とにかく確認をさせて、アンタの本当の番号はxxxの」
「だからー!」
という不毛な問答を兄に仕掛けていたせいでしょう。