本日のよろこびごと。(420)


薄幸な 美人を生かさぬ ドラマ界(喜)
今の時期に新ドラマが始まるの? 日曜23時に連ドラなんてやってたっけ? ととまどいつつなんとなく見てしまったドラマの感想。

30歳、腹の贅肉が気になる主婦が「痩せて綺麗なる」企画の読者モデルに挑戦し、そこからモデルとしてステップを昇っていく成功物語(なのかな?)。原作は講談社Kiss連載中の漫画、主演は吹石一恵
吹石さんは透明感があってとても美人だと思う。もっと活躍してもよさそうなのに、押しの弱げなおどおどした雰囲気が今の主流じゃないんかねぇ、埋もれています。スタイルといい、素材は一級品なのに。
『(主婦になった)アタシなんてもう名前で呼んでもらえることもない、このまま誰かのママで一生を終えちゃうのかな…』
とドラマの中でなげいてみせても、主婦仲間の中に入った彼女はその美貌で異彩を放つ。モデルオーディションで芦名星と並んでも、一人だけ桁外れのプロポーションで目立つ。綺麗だなぁ、素敵だなぁ。桜井幸子引退後、木村多江と並ぶ薄幸女優の一ワクを担っていける逸材だと思うのよ。薄幸たるには、美人たるべしってね。
でも、このドラマの趣旨からするとそこが逆にマイナス。さえない主婦の成り上がりにはならんのよね。共感できないもん。八墓村で命を脅かされる旧家の末裔とかなら合うんだけども、
「平凡な主婦ぶったところであんた超美人じゃん」
ってなる。
そもそもダイエット企画に応募する必要があるか? 『リバウンド』の相武紗季なみの肉襦袢と特殊メイクは無理としても、服で隠れた腹になにか詰め物をしている程度では、「妊娠してるのか?」ぐらいの効果しかなかろうに。まあ、女優の覚悟がうんぬんというよりは予算の都合でしょう。
吹石の美貌に対して、旦那がクズすぎたのもなんだかなぁ。部下との浮気をあっさり認め、
『(彼女が)結婚前でナーバスになってるからっていろいろ相談に乗っているうちに、一回だけだから』
で押切り、さらに浮気相手の仲人をやることになったからよろしくね、とのうのうとのたまう。罪悪感はかけらもない。これで見た目がかっこよけりゃいいが、売れない芸人みたいでオーラゼロ*1。いいとこなしのこんな旦那のどこがいいのか、吹石は『綺麗になってもう一度夫に抱きしめてほしいんです』とモデルオーディションで心情を吐露するほど惚れちょるの。んで、ジョギングに、ダイエットにと頑張るのだよ。まったく、どうなってんの?
痩せて(←腹の詰め物を抜いただけだが)モデルメイクした姿で旦那の前にジャーンっとあらわれ、サプライズを演出する美人パワー全開の妻・吹石、
『ひさしぶりに外でディナーしたいなぁ。そのあとお泊りしても、なんて(照)』
はしゃぎながらも可愛く腕を回して甘える愛妻の腕をほどき、
『あのさ、もうそういうのやめようよ。男とか女とかもういいだろ』
と迷惑気なダサ夫。ああっ、魅力ゼロっ。やっぱり、どこがいいのかわからないっ!
ライバル(芦名星)の造形もどうにかならんもんか。自業自得でオーディションの入選を取り消されたくせに、吹石のせいだと勘違いして逆恨みし、スタジオの影からじっとりと吹石の姿をねめつける。いかにもトウシューズの中に画びょうを入れそうです。平凡な主婦のステレオタイプな閉塞感とか、妻を蔑ろにするダンナとか、全体的にセンスが古いのかなぁ。
などとクサしてみたものの、面白くなくはないんよ。要潤もでてるし(笑)。急展開と古くさいセンスと安っぽさ、すべてを総括すると昼の帯ドラマのダイジェスト版みたいってのが、いちばんしっくりくる感想かなっ。

*1:長谷川朝晴さんのファンの方、ごめんね。そーいう役作りしてるんだとは思うんだ