本日のよろこびごと。(421)

親愛なるきみへ


純愛は はたから見れば 思い込み(喜)
映画の試写会に行ったんでその感想〜。

朗らかなお嬢さんサヴァナと、父子家庭育ちで武骨な青年ジョン、二人は出会った瞬間からたちまち恋におちる。2週間の短い逢瀬の後、米軍の特殊部隊に所属するジョンは任務へと赴任するが、1年後には退役して共にと誓い合い会えない時間を文通で埋め絆を深めていった。ところが退役直前にあの911テロが起こり…時代のうねりに翻弄された若き恋人たちの切ない純愛物語
「ううっ、なんて切ないのっ!(涙)」
と泣く気まんまんでハンカチを握りしめて見に行ったんだけどさー、なんなんだよー。
くだくだしく書くよりも、試写会が終了したときに周囲から漏れた生の声をそのまま拾ったほうが端的に伝わると思うんで無断掲載しちゃうと、
(以下、ネタバレあり)
「途中までは良かったんだけど、後半はなんだったんだ」
「別れなきゃよかっただけのことなのに」
「自分からあんなことしといて、『またすぐ会おうね』はないでしょ」
「最後が、ぜんぜん納得いかない」
『またすぐ会おうね』というのはサヴァナとジョンが出会った日からずっと合言葉のように使いつづけたフレーズ。出会ったばかりの二人が、
『また会えるかな?』
『うん、またすぐに会おうね』
と気持ちを確かめ合ったのが最初で、恋人同士になった後は、分かちがたい思いを抱いて互いの家へ帰らなくてはいけない夜に、
『でもすぐにまた会おうね』
『またすぐに』
とバイバイする。文通の中でも最後には必ずといっていいほど、『またすぐに会おうね』
何度も使われてそのつど微笑ましい気持ちになる言葉。でもねぇ、最後に使われた時だけは響きが違うんだ、「ぞぞぞっ」と来る感じ。なんだぬけぬけと、こえーよ、このオンナ…って。
隣に座っていたカップルの男性は明かりがつくやいなや、
「俺、途中からずっと『ジョン、この女はやめとけ』と思ってた(笑)」
原作者は『きみに読む物語』(←これは本も映画もGood!でした)の著者でもあり、本書には出版前から映像化のオファーが殺到したとか。ふーん、本を読むまで映像権を買うべきではなかったのでは?
ネタとしてならば、最高に面白い。終わったとたんに「ぽか〜ん」、そのあとこき下ろしたくなるという意味で。いいとこもあるんだけどね。主役二人の絵になる感じ、ジョンと父のコインにまつわるエピソード、前半だけならばホントに絵にかいたような純愛映画で素敵です。
でもまあ、最後まで完璧な純愛映画を見てしまうと現実にがっかりしちゃうこともありえるので、こーいう外した映画のほうがカップル向けだったりするかもしれん。会話が盛り上がって距離が縮まるだろうし、
「すごい、泣いちゃった〜(涙)」
「え、どこで?(茫然)」
となればなったで、相性が合わないことがすぐにわかる。なんてな。