本日のよろこびごと。(384)

コーラ


熱演も 揃えすぎると 息つまる(喜)
昨晩からスタートしたドラマの感想〜。写真は内容と関係なく、今日のおやつです(コーラ、「うまいけど、腹が張る」)。

小学生が小学生を殺すという衝撃的事件から16年後、被害者の兄と加害者の妹が出会い禁断の恋に堕ちる“現代版ロミオとジュリエット”…かとドキドキさせておいて、ホラーだったんかい!? つーか、登場人物がそろいもそろって粘着質で怖いんですよ。
序盤は美しい自然の風景を見事に切り出すカメラワーク、瑛太満島ひかりの飾らないナチュラル演技、脇を固めるベテランの顔ぶれに、
「お、なんか素敵な話がはじまりそう」
7分過ぎ、満島が祖母の手を握るシーンにいたって、
「おお、良作の予感!」
満島と瑛太の桟橋での出会いは、きらきら光る湖面、萌えたつ湖畔の新緑に祝福された一瞬の奇蹟のよう。でも、ドラマっちゅーのは見つづけてみないとわかんないもんっすね。まさかそのあと、
「えっ、いきなりファミレスでそんな話を!?」「ええっ、なぜここに満島がついてくんの?」「えええっ、ここにも満島がいるの?」「ええええっ、ここにも満島?」
強引すぎる展開、隠滅とした修羅場の連続に、うーむ、ちょっと待っちょくれー。
なんかねー、言いたいことはいろいろあるが、とにかく暑苦しかった。ドラマに出てくる人たちがみんなじめじめ湿ってる。まず名優・江本明氏の熟成臭を放つ熱演はもはや食傷気味。確かに巧いし、彼の存在によりドラマに重厚感が増すのは事実だし、あんな異常な親父と二人っきりで十数年も暮らした瑛太が精神的にやられるのもむべなるかな、そんな物語の説得力はあるけれど、『リング』の貞子さながら叫び呻き「殺すまで死ねない」と怨念を残して病死しちまうのは、飛ぶ鳥後を濁しすぎだろぉー。
ヒロインの満島ひかりは舌切り雀のような雰囲気で自然な演技がめちゃうまい。うますぎてうっとうしいレベル。ほぼすべてのシーンで背後霊のように瑛太に付き纏い、ナメクジのようにぬめぬめとした跡を残す。うじうじした爽やか青年を演じることの多い瑛太も、満島や江本にひきずられてうじうじ逆切れ、包丁片手に疾駆し、
「どけぇ!」
往来で満島を足蹴りするような、少女の怨念を晴らす殺人鬼と化す。え、それはちょっと違うだろうって? まあでもそんな風にみえたのよ。ああ、なんちゅーホラー。瑛太の母に大竹しのぶ瑛太の妹を殺した少年Aに風間俊介、キャストの情緒感は100%ぬめっていて、息抜きどころがない。そして脚本は暴走している。
おかしいなぁ、もっと魂を震わす究極のラブストーリーが見られると思ったのに。さて、どうしよう。アタシは「それでも、見続ける?」