本日のよろこびごと。(253)


ディズニー版 踊るマハラジャ!? 『魔法にかけられて』(喜)
昨日テレビでやってた映画がめちゃくちゃおもしろくてさ、とにもかくにもあまりにも想像を超えた(ある意味想像通りでもある)超絶展開に、今期一番楽しみにしているTBSドラマ『SPEC』をすらぶっち。それでもぜんぜん後悔なしの面白さ。これは書かずにおられまい。ってんで感想書いときます。

王子様との結婚式直前に悪い魔女に井戸に落とされたプリンセスが(ってとこまでアニメ)、現代のNYにまぎれこんでしまう(ここから実写)という斬新なディズニー作品です。
アニメキャラは実写においても、アニメキャラのままのテイストを維持し(すんげー再現力)、ゆえに凄まじい違和感というか異常性を発揮して、最初は、
「なんだこいつぜんぜんかわいくねーし! ってか、頭おかしいんじゃねぇ? マイケル逃げて逃げてー」
ぐらいの感覚でひいてしまうんだけれど、周囲から浮いてることなどおかまいなしのプリンセスがひたすらアニメペースのまんまに明朗ハイテンションで、いきなり歌いだし、するとディズニーお得意の「はい、そこで動物たちも歌にあわせて歌い踊る」みたいな描写が至極まっとうに恐らくとてつもない技術力を駆使して実写されだしちゃうと、
「ひー、ね、ネズ…ゴキ…うげー、ここまで実写にしなくてもーーーーっ!」
という“どんびき”と、
「ここまでやりおるか、ディズニー!」
の震撼がない混ぜになってアタシは笑い泣き状態、
「か、カオスだー!」
と絶叫するのみ。
さらにアニメ界では一度も感じたことのない感情“怒り”を体感したプリンセスが、
『まぁ、これが怒るっていうことなの! なんてすばらしいの!』
など見当違いにウキウキしだす頃には、
「おめー、今まで一度も怒ったことねーのかよ!?」
というつっこみをいれつつも、
「でもまあ、アニメ界のプリンセスってそうか」
と納得し、「ぜんぜんかわいくねー」だった彼女がすごく可愛らしくみえてしまうという。会ったばかりのマイケルの胸毛に恥じらいもなくさわってみちゃうのも、
「きっとプリンセスってそういうものなのね」
アタシ、完全に魔法にかけられちゃってます。
しかしディズニーの魔法(いや、暴走か)はまだまだこんなもんじゃないっ!
プリンセスを追いかけて、バナナマン日村氏似の召使(実は悪い魔女の手下で、プリンセスに毒りんごを食わせようとする!)や、スーパーハイテンションな王子様(ものすごくピュアな愛すべきお馬鹿)が追いかけてNYに紛れ込むと、そりゃあもう、アレですよ、想像のつかないようなカオスは続き、いやいや、違うな…実は子供の頃に誰もが一度ぐらいは夢想したカオスであり、全編アニメ映画ならばいくらでもあった設定だよね。それを莫大な予算と技術力を惜しみなく投入し、実写化してしまうところに巨人ディズニーの底知れない恐ろしさがあるんだよなぁ。そりゃぁ戦っても勝てるわけないよこんな国に、と白旗あげるしかないのです。
現実世界で、カオスに巻き込まれるマイケル弁護士もいい味だしてんの。温度低めキャラで、一歩下がったところから異常事態を俯瞰して、ふいに面白い一言を冷静にぶっこむみたいな。ふふっ、あれ、笑ったなー。
『彼も歌うんだ…』
スーパーさりげない一言が最高に効いてます。
えがったなぁ〜。ラストもみんなハッピーで、ナンシーも好きになっちゃったし、見終わって歌い踊りたくなる、これこそ映画の力よね。すごいよなぁ。ああ、もう一度みたいなぁ。今度はノーカットがいいなぁ。
一晩寝ても興奮冷めやらぬアタシでした。