本日のよろこびごと。(195)


削りたての かつぶしのせる おかゆの贅(喜)
わーい、新ドラマがはじまったぞーい。さっそくいいドラマに遭遇したので感想を書いちゃいます。

火曜10時、フジテレビの「逃亡弁護士」とぎりぎりまで迷って、NHKを選択しました。NHK火10のドラマ枠はたまにすんごい良作があるのでね(例:「八日目の蝉」)。
結婚詐欺師(?)にだまされた35歳の元派遣社員(結婚前提で退職してしまったので現在無職)が、ごはんつくりを通して生活や人生を立て直していく話。
なのかな〜?
実はまだよくわかんない。
どん底で途方にくれていた主人公(観月ありさ)は、ひょんなことから知り合った工事現場のおじさん(イッセー尾形)との縁で交通整理員の仕事をはじめ、そこで現場のみんなになりゆきでお弁当をつくる。「うわ、うめぇー!」「おねえさん、うまいです」の笑顔に囲まれ、すこしづつ気持ちがほぐれていく。
どんな最悪な境遇におかれても観月ありさ持ち前の明るく前向きなエネルギーが効いていて、楽しくて、大泣きしても大丈夫なんだと感じさせる。救いがあります。ライトコメディだしね。
イッセー尾形さんや、大滝秀治さんなど共演もすばらしい。
なぜか自分をだました男の息子をあずかることになってしまい。二人の奇妙な共同生活が波乱の予感?
血の繋がらぬ中学生の男の子との同居などという「きみはペット」か!?的なあやうい展開をおりまぜつつも、そこはNHK、お行儀よろしく(笑)、展開ほのぼの。いいわぁ〜。
でもね、それらすべての良さを凌駕するほどすごい核がこのドラマにはある。
それは“ごはん”
主役は観月にあらず、本当の主役は映像に映される“ごはん”なのだよ。登場するメシもんたちがどいつもこいつも地味でうンまそー。「豪華じゃない」かつ「地の味」って意味での地味です。たまごやき、蕗の炊いたの、土鍋炊きのおかゆ、白米の磨ぎ方からしてとうぜん丁寧できちんとしていてやさしくて、まさしく理想的スローフードってこーいうのだよぉ。ああっ、食わして…。
ごはんがでるたび、ほっこり。んで、生唾飲みますぜ。
観月は、日本のふるきよき母の手を持つ女なのだね。結婚詐欺師も息子へこういい残しておりました。
「(彼女の家へ行けば)なにか食わせてもらえるから、そこで待ってろ」
さらにディティール。観月の住む木造風アパートの、台所も家具も食器も、すべてが理想的かつ既視感あり。
「おお、そうだこれはまさにあれだ、雑誌「クウネル」の世界ではないか!?」
大好物です。
あー、素敵すぎて、マジ腹鳴った…。