本日のよろこびごと。(147)


見ごたえのある佳作は日テレの良心だね、ぶらぼー!(喜)
水曜日はウツ展開の『臨場』(え、「(娘が)悪くない」? いや、ぜんぶこいつのせいなんじゃね? ってか、真相明らかにする必要なくね?)を見終えて、次がコレだもん。重いよ、重すぎるよぉ〜。でもすんごく良かったんで熱が残っているうちに書かねば。

  • 『Mother』

この枠は高い確率でキツいテーマに真摯な姿勢で取り組んだ問題作を生み出しております。思いつく範囲で挙げると『ラストプレゼント』『14才の母』『海容』、どれも日テレの良心だね。
今回も問題作、虐待されている生徒と擬似母子を装い逃避行を繰り広げる小学校教師(松雪泰子)のお話。他人の子供をかっ攫うパターンが同時期に2作重なる(もひとつは『八日目の蝉』)偶然が解せんとか、そんなこと、もはやどうでもいいわ。どっちも良作だから。
子役がね、すんごい、繊細でリアルで心を揺さぶる芝居をするんだ。達者。んで、めちゃくちゃ可愛い。ぎゅーっとしたくなる子。テイタム・オニールの再来か!?って感じ。母性メーター振り切れるね、どんなに冷めた女でも(松雪がそーいう設定)。
松雪もイイんだわ。彼女の放つ独特の不安感と子供の薄幸さが重なって境界線がぼやけていく感じが、なんともいえず、ロケの多様や、映画っぽいつくりのこだわりとも融合して、すばらしい。
大勢の人に見てほしいなぁ。といってもテーマが重すぎるからね。児童虐待…だもん。
作品としてのすばらしさとは別に、虐待の話を見るたび聞くたび感じる不快感。
どうして自分の子供を虐待するような男と別れられないんだ?
もはや子供が自分のかどうかっていうことすら重要じゃないよね。子供を虐待する人間を好きになる感覚がわかんない。
え、好きじゃないの? なのに居てほしいの?
うーん、わかんなくもないけど、いや、やっぱりアタシにはわかんねー。そーいう機微がないって言われちゃ…。
じゃあ言っちゃうけど、子供虐待する男に抱かれたいか?
要するにそーいうことでしょ。子供殴った手で触られたいかってこと。
アタシはヤだね。殴ってるとこみたら即効で気持ち冷めるわ。てめーがシネよこのやろーとか思っちゃう。
ってムカつきながらドラマを見てたのね。そしたら、
「ええっ! 娘を虐待してたのは母親なのっ!? 嫉妬で??? ひ、ひょえー!」
大逆転ですよ。「母親"が"」なのか「母親"も"」なのかどちらの可能性もある。時々腹に据えかねて目をそらしてたんで。
にしてもこれだけ感情を振り回されるってことは、ドラマに捕りこまれたってことよね。
作品を絶賛しておきながらなんですが、正直見なきゃよかったという気持ちもあんの。絶対に平静で見られないでしょうよ。心臓をしごくような痛みが、確約されてるよね、この先何度も何度も。でも見始めたからには、見終えるまで救われないときいたもんだ。ちっ。
「あなたが捨てられたんじゃない、あなたが捨てるのよ」
繋がれた手。切ねぇ…。