春ドラマあれこれ(1)


つぎつぎとはじまったねぇ、春ドラマ。
今回は冬ドラマに比べるといきなり豪華な布陣、「この人なら見たいな〜」と思わせる主役がそろっていて目移りしちゃいますが、先日から家のテレビ環境が改善されてBS放送も見られるようになったので、そっちも見たいのが多くてあまり見られないかも〜。そんな誘惑に打ち勝って初回をみれたもんについては感想をアップしていきたいと思います。

  • 「アイシテル〜海容」

いやあ、すごいドラマだったわぁ。そもそもそんなに見る気なくて、触りだけ見たら風呂へ行くつもりだったんだけども、釘付けになってしまったよ。
ともかくこれは話が重い。小学生による小学生の殺人、その加害者と被害者、それぞれの家族の事件後を描くという。
ひー、なんてウツなドラマなの〜。「銭ゲバ」といいこれといい、日本テレビのドラマ班はチャレンジャーだ、よく企画するよね、こんなの。少なくともバラエティや報道局よりも世間に何かメッセージを投げかけようとしてることは評価できます。
しかしそのメッセージを受け止めるかどうかは視聴者次第。「銭ゲバ」はあまりのウツさ加減に2話で脱落したアタシです。ま、あっちはウツなだけじゃなくて、リアリティにも乏しくて、ついてけないわ〜って忌避した部分もあり。
「海容」では被害者家族と加害者家族が事件をきっかけにそれぞれのそれなりに平和な家庭が瞬く間に崩壊するところをまず第1話できっちりと描いてきました。
被害者一家は、閑静な住宅街の一軒家に暮らす中流家庭、両親と姉弟の4人家族。キヨタン(被害者ね)を溺愛する母(板谷由夏)と父(佐野史郎)、それが面白くなくてふてくされぎみの年の離れた姉(川島海荷)。弟が行方不明になって激しく動揺する父母をみても「どこかで遊んでるんでしょ」、警察が家に来ても「はじめて本物みた〜」、そして友人に「キヨタンなんて消えちゃえばいいのに」などと悪漢を気取ってメールしてしまう。遺体が発見され、「アタシが(友達と)ランチなんてしなければ…」と自分を責める母、言葉を失う父、さらにマスコミの過剰報道にさらされる。
加害者一家は、瀟洒な高層マンションに住まう両親と一人息子、おしゃれで比較的裕福そうな3人家族。反抗期で母に口を聞かない息子(加害者)にとまどう母親(稲盛いずみ)、夫(山本太郎)は仕事とゴルフにかまけて息子の世話は妻任せ。いきなり警察に「殺人の容疑で息子さんを保護しました」と言われて呆然とする母、警察「息子さんが証拠はクローゼットにあると言っています」、「嘘です、あの子は最近無意味な嘘をつくんです!」。そこへゴルフ帰りの夫がひょっこり戻って、「お前がきちんと見ててやらないからだ!」と妻をなじる。醜く責任をなすりつけあう夫婦だが、ほとんど夫が一方的にヒドイ。極めつけはこの一言、
「おれ、会社クビかなぁ…」
ひええっ、この状況でそんなこといきなり言うんかい!? とちょっと引いたわ。でも考えてみたら言うかもしれん。事実をいまだ実感をともなって受け入れられないときに、人はこういうズレたことを口にして現実逃避を図る、そーいう心理はわからんでもない。2話以降でこの父親がどうかわるのか、じっくりと見届けたいですね。今の感じだとこの夫婦はすぐに離婚しちゃいそうだけど。
稲盛いずみはやっぱキレイだのう〜、キレイな女は悲劇を糧により光り輝く。こんなキレイな母親おらんだろうと思うが、最近のお母さんはそれなりにキレイだからリアリティなくもない。さらに彼女は芝居が確かだ。来週からは保護司役の田中美佐子も活躍しそうで、さらに面白く…って言っちゃいかんか、えーと、見ごたえがでてきそう、です。
それにしても自分に子供がいなくてよかったと。子供がいたらこのドラマを平静に見られそうもないもの。加害者役の子役の子、トラウマにならんとよいが…。