SPドラマ『幸福のスープはいかが?』(前編)

  • 2009年3月26・27日前後編連続放送、NHK・RTHK(香港電台)共同制作ドラマ
  • 脚本:陳志樺(マン・チャン)、出演:成宮寛貴、劉心悠(アニー・リウ)、風吹ジュン塩見三省ほか
  • あらすじ:東京で肉体労働に従事するネットカフェ難民の哲也(成宮)。八方塞がりな生活から逃れるために元カノの住む香港へ一人決めして渡航するが、案の定ころがりこんだアパートをすぐに追い出されてしまう。運良くアパートの大家の娘メイラン(アニー)に拾われて彼女と祖父の暮らす家へ居候、祖父の営む小さな庶民派香港料理店を手伝うようになる。しかし魚旦粉という麺料理が絶品だった店も祖父が身体を壊して以降味を落とし、さらにその地区が再開発地区に指定され閉店するしかない状況、とこちらも八方塞りなのだった。心を通わせあうようになった哲也とメイランは、店を救う味を求めて、讃岐でうどん屋を営む哲也の父の元へ旅立つ(後半へつづく)。

女優アニー・リウさんが超キレイー! 横顔かんっぺき、鼻たけー、笑顔かわいい、髪をおろしゃあ大人っぽくてかっけー。なんども見惚れちゃいました。例えて言うなら、広末涼子鈴木紗理奈を足して2で割った後に、少し上品さを加えた感じかな。彼女の容姿が、ときには映像を香港ノワールっぽくみせて、なんか映画っぽいの。もちろん香港スタッフの撮り方も貢献してます。
美貌だけでもじゅうぶん美味しくいただけるのに、香港の街並み、独特の色彩感覚や光、広東語(たぶん?)のリズミカルな響き、アニーの片言の日本語、見知らぬ香港の俳優さんたちのかもし出すリアルな情感、いろんな味付けがされている。ストーリーはそんなに捻りがなさそーだけど(いや、後半ではっちゃけるか?)、こんだけトッピングが豊富なら、若い二人が心を通わせ明るく頑張るっていうだけで、じゅうぶん満腹っす。
おっとアニーばかり褒めちゃったけど、成宮君も意外とたくましくていい感じだよ。ただ、キャラがあんまりかっこよくなかったんだわ。脚本家が香港の人だからかな、祖父の店を再建するためにキャリアウーマンの職をなげうつ、日本語も英語も堪能な香港ガールに比べ、
「哲也はなんのために香港に来たの?」
と問われても苦笑いで、
「へーんしん…したかったんだ」
としか答えられないジャパンボーイはずいぶんと情けないんである。日本へ行くと決意をしたんだって、
「(うどん屋を営む)オヤジに味を教えてもらうんだ!」
と他力本願、ありゃりゃ〜。こんな男へ、
「アタシはアナタが好きかもしれない(と、あえて広東語で言ったから哲也には通じちゃおらん)」
心を動かすメイランはなんていい子なんだろう(涙)。成宮のキュートな笑顔に騙されないでー!とか思っちゃうってどうよ?、話の本分じゃないわなぁ。前編は香港、後編は日本が主な舞台となっているようだから、ホームグラウンドで少しはニッポン男児はここにあり!なところを見せてくれるんでしょうかねぇ?
NHKが突発的に放送する、なぜ今これをやるの?な不思議企画ドラマ。でも意外と拾いものがあったりする、そんな拾いもののひとつでした。後編が楽しみ〜。