『相棒』Season7最終話


ミッチー、意外といいじゃん。
ときおり芝居がつたなくてたよりないところはあるが、ほかの連中が濃密だからバランスがとれてるし、右京さんとの微妙な距離感が期待以上にステキだ〜。右京さんにネチネチやられても受け流しちゃえるのかと思いきや、裏に回ると「ウキーッ」とヒスしちゃうのも人間味があってよかった。やられっぱなしではなく右京さんの"暴走する正義"にチクリと一石を投じたりしたところもよかったです。特命係を駆除(!)する密命を帯びた神戸尊(ミッチー)が、この後どーいうふうに右京さんシンパへと傾斜してゆくのか(ゆくんだよね?)、その過程に期待できそう。
おっとぉ、もちろん亀ちゃんを忘れたわけじゃありませんよ。今回はあのセリフ、
「君に亀山君のかわりができるとは思っていません」
に、涙がでそうになったもん。
亀山薫亀山薫にしかだせない空気があるし、神戸尊は神戸尊でスタイリッシュ相棒って感じで楽しい。というふうに好意的に受け止められるようになるまでに葛藤はあったけれど、亀山が退職してからしばらく一人相棒(一人相撲に似てるね)時代というクッションを置いていたことが結果的にはよかったみたいです。右京さんにはやっぱり相棒が必要なんだ…という飢餓が埋まった喜びがある。日替わり相棒も悪くはない。おもしろいよ。でも結局部外者の介入でしかなくて、微妙に寂しいんだよ。右京さんは、ラストにまた一人で取り残されて、花の里での晩酌も一人きり…って、あ、なんかちょっとしめっぽいね。
えーと。ミッチーはスタイリッシュとかいいつつ、事件や事件現場はいつにもまして泥くさかったねー(笑)。すべての元凶はおめーじゃー!>バカ息子。タコ殴りにしたいわ。
もっとも右京さんが来なきゃ、バカ息子のバカ父の犯罪が暴かれることもなく、山小屋が撤去されてキーちゃんがまいごになることもなくすべてが丸く収まったというのは、神戸の指摘に集約されるとおり。
「たまたま杉下警部の目にとまってしまった。なんか不公平だなぁって」
ほんじゃ、すべての元凶はおめーか!>杉下右京。ってぇーと、そうとも言いきえれず、あそこで真実を明らかにしなければバカ息子はいつまでたっても、
「俺は運が悪いだけだー」
とほざいてまた失敗を繰り返し、次は父親が自殺する未来が待ってるだけだから、丸く収まったようでも膿を内包したままだとよけいに膿むだけだもの、きっとこれでよかったんだよね、キーちゃん。あ、キーちゃんだけはよくないか。ごめんね、キーちゃん。
官房長が最後に花の里で新しい相棒について探りを入れて「なんかあったらいつでも(僕に)言って」。あれはどういう裏があるんでしょう。送り込んだのは自分でしょうに。周囲を納得させるために形ばかりの駆除ポーズをしただけで、自分だけは味方だよと言うつもりなのか。いやいや、とてもそんなふうには思えない。うーん、一番読めない男ですなぁ。そいえば神戸は本当に形ばかりの左遷なのか?というところも疑えば疑える。駆除係もさせ、ついでにウザイ神戸(いかにもウザそうだったもんねぇ)を特命に追放するという一石二鳥のあわせ技だったりする? ああ、あれもこれも裏がありそうで、一筋縄ではいかんなあ。
今回は、いろいろと後味の悪い救いのない話。こんなウツな話が最終回かよー!と思う。その後味の悪さこそが「ああ、これが相棒だよな」と唸らせるところでもあり、やはりこれが相棒らしい最終回。
ともかくも、相棒Season8を楽しみに待てる幸せをありがとう。