『ラブシャッフル』第8話(3)


やばいやばい、もう今日は金曜日じゃん! 第9話も楽しみだね〜っ、おっと、その前に最後のおさらいを。
ラブシャッフルなんて当初聞いたときにゃ「恋人交換? げー、発想が古っ」と引いたが、ネライはそんな陳腐なもんじゃなかったのだ。近すぎる人には言えないことを、通りすがりの人間になら言えることもある。つきあう人が変わると、人はいままで見せなかった顔や無自覚なポテンシャルをのぞかせることがある。その手法を用いて人物の深層をあぶりだし解析してゆく、精神科医・菊リンのフィールドワークという趣もあったのだ。ってマジかよ? さあ…。
シャッフル二巡目に突入した昨今ではこんなカップルが新たに誕生の気配をみせてきた、

二人でいるとなぜか楽しい、会話は弾むし、笑うタイミングもこけるタイミングも一緒。相性がイイってこういうのかな? 最初に自分の恋心に気づいたのはアイアイのほう、月の光に唆されてケイの唇を奪う。メイに未練たらたらだったはずのケイもその積極的なアプローチに、
「あれ、俺ってひょっとして…?」
ところが終盤の第7話にして(いまごろかよ!)、恋のライバル亀井君(袴田吉彦)登場。離島医療に熱意を示す医者であり、やや自信家で女あしらいも悪くない、デート中の居眠で母性本能をくすぐり、ビジュアルはすこぶる上等ときたもんだ。菊リンの後輩という点をのぞけば非の打ちどころなし(菊リンの送り込んだ刺客という可能性もあるから油断禁物)、こりゃ90%情けない男のケイには勝ち目ないなぁ。
イイ男登場で揺れるアイアイ心。アイアイって実はクセモノ、かなり惚れっぽい女なんだよね。菊リンに「アタシとつきあわない?」と告白し、O次郎ともなんとなくいい感じになり、亀井に対してもキープしておきたいご様子。サバサバしたようで誰よりもネチっと女だね。
亀井とのデートに向うアイアイを
「そんな男とは会うな!」
と引き寄せ抱きしめ、そして第8話のラストのお約束のキスへ。ふーん。正直言うと、この二人は他の組み合わせに比べるとあまり魅力を感じません。特に傷のない二人だからかな?

諭吉はひたすらアイアイ一途、他の男にとられないために金で人を雇って陰謀をめぐらす小悪党。
「だって僕には愛瑠(アイアイ)しかいないんだー」
そりゃそうかも。ビジュアル重視の玲子さんには「あら、メガネをはずすと顔はいいのね」といちおう合格点をもらったが、海里にはまったく相手にされず、デートはひたすら黙って氷カリカリ(寒〜っ)。唯一、普通に女の子ちゃんなメイお嬢様にだけは慣れてきたものの、
「諭吉さんって、かわいい…かわいいけど、寂しい人」
なんてサラッといわれて、とまどうのでありました。こーいうセリフってさ、殺し文句じゃねー? メイって無意識なんだろうけど、したたかだわ。そのメイお嬢様がシャッフルにつきあう理由は、ケイ以外の3人の中に気になる男がいるから、
「ケイのときみたいにドキドキはしないの、でも胸がキュンっとする。気になる人って実はね…」
その会話を盗聴していた諭吉、
「え、俺?(by諭吉)」
以来彼女が気になって、うわーうわー、そのくせ積極的にどうこうできる甲斐性もなくただおろおろするばかり。あるよねーこーいうの、普通に接してた人をとたんに異性として意識しだす瞬間って。気になる存在を心から追い出してケイと結婚すると決意したメイ、たまたま花嫁衣裳を選ぶメイを目にした諭吉は、
「とってもキレイです…あれっ、俺、なんで涙が…?」
そしてメイを追いかけて、
「僕は…(ここでメガネをとり)俺は、アナタの心からでていかない!」
強引に抱き寄せ、ついに第8話ラストのど根性キスを。いいぞ、諭吉、がんばれー! メガネをとったところはマジでかっこよかったです。アレはおそらくダテで、自分を外界から隔てるためのバリヤー。それをはずして「僕」を「俺」と言い直したあたり、君もやっと男になったんだねえ(感慨)。
諭吉の成長物語にもなっていたのだ。

いつもの調子で毛色の変わった女にも手を出してしまったが…やべーな、マジで惚れそうだぜ。ちっ、しゃーねー、
「俺のところへ来い!」
と父親の元から海里をかっさらい、そして感動のプロポーズしちまったのが、第8話。Oちゃんはいつでも二枚目でかっこいい、プロポーズのときもいつにもまして、かっこよかった。死ぬ死ぬ海里に対して、
「わかった、お前は死ぬ。自殺する。ただし俺が死んでからにしろ。俺はタバコをやめる、毎年人間ドックにも入ってジジイになるまで長生きしてやる。だからお前もバアサンになるまで死ねない」
うわーお。すかした男という第一印象は大ハズレ、気骨があって純粋なヤツだったのだ。
ネコは人に見えないものが見えるという。ネコのようにふいに何もない空間へ意味深に目をむける海里を、心霊嫌いのO次郎は薄気味悪いと叱る。でも海里、アンタ、もしかしてわざとO次郎をからかってる? 無表情な海里が、たまに笑うとそれがめちゃくちゃ愛くるしい。これがまた吉高がいい表情をするんだ。O次郎は
「変な顔すんな」
ほっぺをつねって、照れ隠し。そっぽを向いて
「惚れてまうやろ…」
なんだこの、少女漫画野郎っ! ところがです、O次郎のプロポーズを受け入れた海里はこれで救われたのかと思ったら、二人きりになったとたんに菊リンが擦り寄って、
「まさか、いまさら生きたいなんて言わないよねぇ?」
ぞぞおーっ。菊リンの呪縛を逃れていない海里は20歳の誕生日の夜、姿を消すのであった…壊れるO次郎、あうー(涙)。

菊リンは研修医時代の恋人(男)に自殺されたトラウマを引きずっている。そこへ運命のように現れた恋人そっくりの男。本気で惚れた女(海里)を失って自我崩壊寸前のO次郎を精神科医特権でクスリで眠らせ、
「やっと俺のところに帰ってきてくれたね」
帰ってきたといってもO次郎が元恋人に似ているのは顔だけだよ、そんなことをしても君は満たされないのに、悲しさに早く気づいて欲しいです。あと2話でO次郎にはなんらかの救いがあると信じているが、菊リンにも救いを! 
え、罰をじゃないのかって。いやいや、菊リンにダークサイドがあることは否定しないが、彼が海里に送ったバースデープレゼントに善意の余地を見たもんで。銀のさじは、親が産まれたばかりの子供へ「幸せをすくいとってね」と託すもの。だから海里の再生を願っている気持ちがひそかに現れているんじゃないかと、信じたいわけです。

  • 玲子さん(小島聖)&4ボケナス(ケイ、諭吉、菊リン、O次郎)

4人全員と関係しちゃった玲子さんは、
「妊娠したの」
「「「「ええーっ」」」」
「子ダネのない夫の変わりに優秀な男の遺伝子が欲しかったの。夫の子供として育てるわ。末は見目麗しい総理大臣を作るのが、アタシの夢」
うはー。果たして誰の子供なんでしょうか? 玲子さんはさる大物政治家の一人娘で絶対跡継ぎが欲しかったのね。さてここである伏線が蘇る。90%情けない男のケイは実は10%のカリスマ性を持つ男、なんてったって主人公だし、口八丁の演説で周囲をねじふせ味方にしてしまう強烈なリーダーシップを時として発揮するのだ。それがコレと繋がってケイが政治家に?と思われなくもないんだな。ならば玲子さんの子供の父親もケイだったりして。
ま、それはどっちゃでもええ。
さて今夜!第9話です!!