『スーパーサイズ・ミー』


最近更新が滞り気味ですんまそん。新作じゃないけれど久しぶりに見た映画のことを。
1ヶ月間マクドナルドの商品だけ食い続けたらどうなるか、モーガン・スパーロック監督が自ら身体をはって実験君したドキュメンタリー映画
モーガンは陽気な好青年っ(るんっ)、でもベジタリアンの彼女つき(ぶー)。医者から「健康だね、何の問題もないよ」とお墨付きをいただいた細身の彼がマック食をはじめたとたんにみるみるむくんで(太って)、ついに「君はもう病気だ。これ以上は危険だからやめろ」と宣告される、その過程がとても壮絶でかつ見ごたえあり。じわじわ太っていくさまなんざ、教育テレビの生物番組で開花や発芽を早回しで見たときに似たミラクル感が漂います。へー、人間ってこういう風に太るんだぁ…。
「30日間同じもの食ってるだけなんて『いきなり!黄金伝説』みたいじゃん。TVバラエティならいいけどわざわざ映画館に行くほどかな、途中で飽きそう」
映画が公開された当時はそう思ってスルーしてしまいましたが、実際には学校給食の実態とか関連する取材やデータなどのさまざまな素材を視覚的に工夫を凝らしかつスピーディに編集してあるので飽きる暇なしでした。監督の陽気なキャラクターも可愛いし、「おうっ、ほおお、ううむ、へえー」と感応しているうちにエンド。こういう単純なテーマのドキュメンタリーでさえエンターテイメント性のレベルを高く維持できるってのはアメリカの編集力が裾野まですごいってことでしょう。脱帽です。
さてこれでファストフードを食うのが怖くなるかというと…それは普通の神経をしていたら確実になります。アタシゃ2日前の夕食(マックだった)をリバースしたくなった(笑)。でもなぜかアンビバレンツな感情も、
「なんだかマックが食いたくなっちゃった…」
バーガーやポテトの映像をこれでもかこれでもかとインプリントされるせいだと思う。
「こんだけ食べりゃ、ファストフードじゃなくても病気になる」
映画で被験者がどんどん不健康になっていくことについて、こういう突っ込み意見があったとか。そりゃあその通り、否定しません。マックでセットをオーダーしたとき、店員に「(サイズは)スーパーサイズで?」と聞き返されたら「もちろんスーパーサイズで」と応じ、さらに買ったものは食べ残さないという過酷なルールは、はっきりいって無謀。スーパーサイズってのはLよりLLよりさらに上で、ドラム缶サイズのドリンクや超盛りのポテトなんかがついてくるギャル曽根対応メニュー、普通の人間には食いきれませんって。アメリカ人は日本人よりも身体が大きいとはいっても監督さんは細身のほうなのでやっぱスーパーサイズは多すぎでしょう。運動もしない、一日2000歩以上歩かないとかいうルールもありました。
ともあれカロリーの過剰摂取はマックじゃなくても病気になります、多かれ少なかれ。ただしマックばかりだと「多かれ」のほうになることも否定できないと思います。肉ばかり食ってるからいかんのだ!マックにはサラダもあるじゃないか!といっても、そのサラダもドレッシングを掛けると結果的に摂取する糖分はコーラを飲むより多くなるんだそうです。なむー。
おそろし、おもろし。ファストフードは絶対に食わないという人でない限り、一度は見とくべきだとオススメしときます。食育の一貫として子供に見せてもいいんじゃないかな。学校で見せてほしいけど、一企業を攻撃してるふうに捕らえられなくもないから、父兄に関連企業の方がいたらイジメの原因になるかもしれんしのう。なのでご家庭でこっそり子供に見せて反応を楽しんでくだされ。あ、ひとつご注意。ベジタリアンの恋人がマックグルメ中の夜の生活について証言するシーンがございます。大人は「おいおい、そこまで言う?」って感じで笑える見所なんだけど、子供とみてたらちょっと気まずくなるかもねー、うふっ。