一泊二日京都旅行(2)

錦水亭の床


今回のツアーは夜、朝、昼の三食付。いずれもはずれなしなのが嬉しかった。中でもメインは、
川床料理、高雄錦水亭http://www.kinsuitei.com/
清滝川の川原に造られた高床式のお座敷(壁は吹き抜け、天井あり)で、せせらぎと緑のざわめきに耳をすませながら京会席を戴きます。灯りはちょうちんのみ。まず、なんとも風情のある贅沢な空間演出につかみはOKといったところでしょう。
供される会席料理は…実を言うとこーいう店は雰囲気さえよければって思って少々舐めておりましたが、これがまた空間に引けをとらず絶品さんでした。
「おそうなってすんまへん」と配られた墨文字のお品書きは、ずらずらとまあいったいなにを書いてあるのだらふと思うほど。記された材料のひとつひとつと現物を照らし合わせて「へー、これがぐじかぁ」「このてんぷらはマツタケが巻いてあるんだって。いちいち凝っているね」など吟味鑑賞しながら堪能するのがまた楽し。京都ならではの旬の食材を盛り込んで構成されたメニューは観光的にも満足で、しかも洗練されています。器もそれなりに工夫され眼にも美味しく、味付けも京味らしく上品で甘露。どれを戴いても詰まるところは「美味しいねー」。お品書きにお店の心意気を感じました。
意表をついたのがデザート。お品書きに「フルーツゼリー」だけと、他に比べてややそっけなく記されたそれは10種類以上の果物が葡萄ゼリーで寄せられた凝ったもの。イチジクが入ってたのも嬉しかった。東京のデパートの地下で売っていてもおかしくないパティシエの味わい。うーん、とことんやるな。
さて食事を終えたら川原に下りて川遊びなんぞも一興。人の狼藉が加えられていない清流(実際には川床なんぞを作られてますが野暮は言いますまい)は、「これだけ水が澄んでいるのなら蛍もでそう」と言えばやはり、6月中旬の蛍シーズンには蛍の夕べがあるそうです。ほおおぉ。
夕食の京会席9240円(税込)。京都の夏の風物詩に参加できるのならば決してお高くはありません。
お土産に鳥獣戯画の書かれたうちわを一人ひとつ。これは暑い京都の町を旅する間も非常に役に立って、なにからなにまで行き届いてることでした。
(写真は川原から床をとったとこ。フラッシュが焚けなくてほとんど撮れず残念。)
(つづく)