東京駅で待ち合わせ


海賊の秘宝や徳川の隠し財産のありかを示す地図や暗号はわざとわかりにくいようにしてますよね。
母と新幹線に乗るために東京駅で待ち合わせすることになりました。打ち合わせは電話にて。
私「時間はxxね、場所は?」
母「改札のある、向かいに駅弁屋さんがあるとこ」
私「改札って、なに口?」
母「そんなのわからないわよ」
わからないのか…。
私「東海道新幹線の改札だよね? 東北新幹線でも普通の改札でもないよね?」
母「えー…ほら、大丸のところへ行くとき自然にいく改札があるでしょう?」
私「え、新幹線の改札じゃないの? 大丸地下街へつながってる改札とも違うよね」
母「地下にはおりないわよ。新幹線のとこにいくには3段ぐらい階段を登らないといけないの」
私「? えーと、そこは京葉線の通路とまっすぐつながっている通路かな?」
母「どーだか知らないけど、中央」
私「中央って通路? 中央口?」
母「とにかくっ。3本大きい柱があるの。その近くに階段があって座れるのよ。お向かいに弁当屋さんね」
私「えーと、東京駅には柱も階段も弁当屋もたくさんあるんだけどもぉ…」
なんか固有名詞をだしてくれ〜!
母「そりゃあるわよ。新幹線の改札入ったところにもあるから、お弁当はそっちで買ってもいいわね」
私「そうだね…」
母「でも座れるとこはそこしかないから」
私「あ、そうなんだ…えーと、前に待ち合わせた銅像のあるとことは違うのよね」
2年ぐらい前に「これから広い東京駅での待ち合わせはここに決めとこうね」と約束場所があるのだが…
母「違うわよ。そこは座れない」
私「あー。そう…」
足を悪くした母は椅子か腰を掛けられる段差のあるとこでないと待ち合わせできないのです。
母「とにかく3本の大きな柱と改札と弁当屋さんね」
私「う、わ……わかった…なんとか行く」
母「すぐわかるから」
私「そ、そうだね…」
途中でそこのお弁当屋さんでは買っている人が多いとか、弁当の種類が多いとかファジーな情報はありつつも、なんだかよくわからないっ! 切符は母が持っているので待ち合わせには少し早めにいかねば、呼び出しなんて事態になりかねません。たぶん母はお友達とよく旅行にいくので、そのときは毎回そこで待ち合わせしてるのです。だから母にとっては周知の場所なのだね。でもさ、東京駅はひっろーーいの。初めて待ち合わせる場所を知らせるのに3つのキーワード(『3本の大きな柱』『改札』『弁当屋』)だけで来いというのはきついよぉ、とほほ。