『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

まずタイトルからして、わけわかんねー。出演者にも映画館に足を運ばせる引力がねー(アタシにとっては)。だからふつーに考えて絶対に見るはずはないのだが…見ちゃいました。
えー、見せてくれた人ありがとうです。
面白かった。
まず出演者のポテンシャルに驚くね。アンタたちこんなにやれば出来る人たちだったのか!と。メイン4人が入魂演技。特にサトエリ
サトエリという記号でしかなかった彼女、実は演技のできる性格俳優なのでした。脅す声ヒスる声機嫌のいい声、トーンが急変するトコ、手足の長さが不気味なトコ、顔の不安定なトコ、全身全霊惜しみなく使い尽くして、まさに怖くて「最高に面白い」女。
ストーリーはえぐい。救いのない家庭、不幸の連続、身勝手、思いやりの欠如、暴力、歪み、僻み、嫉み、逆恨み、憎悪、気持ち悪いほどネガティブなもんばかり。なのに見終わってさわやかなんだ。まあ、いちおう救い(といっていいのか?)のある終わりだったし。
あと、マナーのいい映画だからってこともある。マナーのいい映画は気持ちいい。伏線はきちんと拾う、そんな当たり前のことを守れていない映画が多い中、貴重。特に邦画では。
アングラ臭もまた懐かしい。
いっぱい書きたいような気がしてたけど、案外あまり書けないね…。ネタばらしたくないので。